今夜、火星がポルックスに接近ですってよ
たまにはリアルタイムの話題を。tenki.jpで火星の話題が出ています。今夜2025年1月17日の夜、火星がふたご座のβ星・ポルックスに接近ですってよ。
アストロいちねんせいの皆様は、是非夜空を見上げて火星と、火星をガイドにしたポルックス探しをしながら「サイン」と「コンステレーション」の違いをおさらいいたしましょう。
まず、お好みのホロスコープ算出サイト（お手持ちのホロスコープアプリやソフトでももちろんOK）で2025年1月17日夜のホロスコープを表示させます。時刻と地域は、あなたが空を見上げる時刻と地域に合わせます。
当番はいつものhoroscope-tarot.netで算出。ええ、仮に東京都内で2025年1月17日の20時としましょうか。
はい、こんな感じですねえ。20時だと火星は11ハウスで南東のほどよい高さに上がり、しかもまだ月が出ない頃なので観察にはちょうどいい頃合。
当番が住んでいる地域のような「東側に高い建物や山がなく、地平線上空が開けている場所」だったら17時半過ぎも狙い目。昇ってきたばかりの12ハウス（東の地平線からちょっと上がった場所）に火星があるので見つけやすいです。東側に障害物がある地形ならば火星が高い位置まで上がる19時から20時がおすすめ。
さてhoroscope-tarot.netでは「このホロスコープの詳細」をタップすると天体のサインと度数・ハウスカスプ・アスペクト等の情報を文字で確認することができます。開いて見てみましょう。2025年1月17日20時・東京都内から見上げる火星はホロスコープでは何座の何度にいるか？
はい、「蟹座25度39分」ですねえ。数え度数（サビアンシンボルを出すときの度数）だと蟹座数え26度です。実際の空を見ると、火星は「ふたご座のポルックスのすぐそば」にいる。ホロスコープで見ると、火星は「蟹座25度39分」にいる。これが「コンステレーション（天文学上の『星座』）」と「トロピカル方式のサイン（西洋占星術上の『十二宮』）」の違い。
西洋占星術の「サイン」とは「春分点を基準に黄道を12等分し、各区画に（それを定めた当時の）最寄り星座の名前を番地名として割り振ったもの」です。むかしむかし、それを定めた当時は春分点が「コンステレーションとしてのおひつじ座」にあったので「春分点から30度までの区域を牡羊座という番地で呼ぼう、その次は牡牛座……」というきまりでした。しかし地球の歳差運動によって春分点は徐々に「コンステレーションとしてのおひつじ座」からズレていき、2025年現在、春分点は「コンステレーションとしての魚座」にあります。だいたい星座（コンステレーション）の名前ひとつ分ずつ、ズレている。
そんなわけで我々西洋占星術の民がホロスコープを見て「いま蟹座25度辺り（春分点から反時計回りに115度進んだ空間）に火星がいるなあ」と思ったとき、実際の空で火星が見えるのは「コンステレーションとしてのふたご座が見える空間」になります。「木星が双子座（春分点から反時計回りに60～90度離れた辺り）にいるなあ」と思ったとき、実際の空で木星の背景に輝いているのは「コンステレーションとしてのおうし座」です。
ホロスコープアプリと天文アプリの両方を使っていたら、是非見比べてみましょう。なお、「コンステレーションとしての星座（天文学上の星座）」は日本では「ひらがな表記あるいはカタカナ表記」で漢字を使わないのが通例です。当記事でも「ふたご座」「おひつじ座」とひらがな表記しているのは「コンステレーションとしての星座」、「双子座」「牡羊座」と漢字表記しているのは「サイン」の方です。
音声だと「コンステレーション」も「サイン」も「ふたござ」「おひつじざ」になってしまうので、「サイン」の方は「〇〇宮」としたほうが口頭でも区別がついて便利なんですけどね。宮名一覧、参考に載せましょうか。
♈️白羊宮（はくようきゅう）
♉️金牛宮（きんぎゅうきゅう）
♊双児宮（そうじきゅう）
♋巨蟹宮（きょかいきゅう）
♌獅子宮（ししきゅう）
♍処女宮（しょじょきゅう）
♎天秤宮（てんびんきゅう）
♏天蠍宮（てんかつきゅう）
♐人馬宮（じんばきゅう）
♑磨羯宮（まかつきゅう）
♒宝瓶宮（ほうへいきゅう）
♓双魚宮（そうぎょきゅう）
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