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新しいカニを飼う話⑥シスターフッドと乳がんヨガ

私には高校生以来の親友がいる。
彼女は、本業は学校の先生をしているが、クラシックバレエをはじめ、ヨガも含めて様々なエクササイズを学んでいる。ずっと、体と向き合うことをしてきた。
もし、私が彼女と出会わなかったら、妊娠・出産・育児ジャンルの編集者にはなっていなかったかもしれない。
そのくらい、影響が大きい人だ。

カニがいることがわかったときも、家族の次に彼女に伝えた。
冷静に、心配してくれた。そのあとも、常に支えてくれていて、感謝しかない。
のに。
さらに。
彼女は「乳がんヨガ」の指導者の資格をとってくれたのだった。
自分のためだけじゃない、いつか誰かのためにヨガを活かすことは考えていた、と言っていたけれど、乳がんヨガを選んだのは、私のことがきっかけだったそうだ。

今でこそ、よく聞く言葉になった「シスターフッド」という言葉の温床のような学園で中学高校時代を過ごし、そこで出会った私たちだった。
慰めるでもなく、励ますでもなく、寄り添うということを、こんな形であらわしてくれる親友は、たぶん私の一生のうちでいちばんの財産なんだ。

8月のある日、我が家でのワンデイリトリート

夏休みの1日、彼女は我が家に来てくれた。大きなボルスタークッションを持って。

ウェルカムドリンクはノンアルコールワイン。鶴岡から母経由で取り寄せた、おいしいだだちゃ豆をつまんで、小腹を満たしてからヨガを開始。
といっても、まだ全く何も自覚症状もなく、カニがいるだけの私の体は、ほどほどには動く。ヨガも、ダウンドッグが一応の姿勢でできる程度にはしてきた。
だから、リラックス系とはいえ、体幹をしっかり使うポーズもありで、血行もいい感じになるヨガだった。ダウンドッグは10回近くやったんじゃないかな。
術後はこの辺はこうしてね、という指導付き・

そして最後のシャバーサナはファーストクラス級。
フワッと眠りに落ちて、なぜかヨーグルトを食べる夢も見た…。
トータル70分だったらしいけど、あっという間のコースだった。

リフレッシュしたあとは、お昼ごはん。
キュウリとピーマンはお味噌をつけて。
枝豆がメインだったので、枝豆とハム入りの満月焼き(卵焼き)、枝豆&塩こぶのミニおにぎりを用意。満月焼きには、nuccaの美味しい山椒ソースがドンピシャ。
にんじんのアチャール、ゴーヤの塩もみ。ドライマンゴーのヨーグルト漬けや、豆乳バターをつけたパン。チーズ。
料理ともいえない料理ばかりだったけれど、美味しいね!って食べるのがサイコー。

満腹になったあとは、ハンドマッサージをしてもらう。
太白ごま油をつけて、けっこうイタ気持ちいいくらいのマッサージ‥天国。
パーツマッサージなのに、全身の血行が良くなる感じ。とても良い。

おしゃべりしながらのリトリートは、心身ともに大事な休養を与えてくれた。…と、そこで終わるわけもなく、夕方少し涼しい風が吹く時間からは、地元の大好きなお店を2軒ハシゴ。

癒しの日だった。また術後にも来てくれるらしい。
手術に向けて、いちばんの体調管理は、とにかくコロナにかからないこと。9月に入ってからは、マスクをしないでおしゃべりをする人が多い場所は避けている。つまり、大好きな友だちとの飲み会をしていない。これがやっぱりかなりのストレス…私には。
それと、首肩胸まわりをほぐすこと。全身の血行をよくしておくこと。
親友がその手伝いをしてくれるなんて、なんと贅沢なんだろうか…。

写真は8月下旬、夏らしい日の夕空。ゴジラみたいな雲だった。

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