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【Member’s Story】類まれな強運で未来を拓く男。「ARおじさん」は、なぜARの虜になったのかーMESON COO 小林佑樹
こんにちは! MESONで広報&ライターを担当する小林香織です。
連載企画【Member’s Story】では、MESONメンバーのキャリアストーリーをインタビュー形式でご紹介しています。第二回目の主役は、CEO 梶谷健人と共にMESONを創業したCOO 小林佑樹。
学生時代はバンド活動に熱中し、大学院卒業後は会社員として就職するはずだった小林が、なぜARでの起業に方向転換したのか。MESONの成長をどのように牽引したのか。これまでのストーリーと共に、内に秘めた情熱を語ります。
〜小林佑樹プロフィール〜
東京大学大学院情報理工学系研究科卒。2017年、代表の梶谷とMESONを創業。COOとして事業開発をする傍、エンジニアとしてARプロダクト開発なども手がける。「ARおじさん」の名前でTwitter上でARに関する情報発信などを行なっている。 MESONで開発したサービスがAWSに評価され、Startup Architecture of the Year 2018を受賞。
内定を蹴り、ARの未来を信じて起業に舵を切った
—プログラミングとの出会いを教えてください。
大学の授業でプログラミングを学び、そのおもしろさにのめり込みました。この技術を使えば、自分の能力以上のことができそうだと思ったから。すぐにプログラミングのバイトを始めたところ、そこで人生を変える先輩との出会いに恵まれました。
その方は今、アメリカのGoogleで勤務されているエンジニアで、彼はプログラミングのいろはを僕に授けてくれました。「彼のようになりたい」という一心でプログラミングを学び、東京大学院に進学。そして、大学院時代に参加したリクルートのインターンで、梶谷に出会ったんです。
—当時、梶谷さんの印象はどうでしたか?
最初はお互いに苦手意識があったと思います(笑)。僕と梶谷ってタイプが真逆で、イケイケのスタートアップ感がある彼に対して、僕は老け顔でちょっと怖いみたいな(笑)。でも、インターン期間を通じてわかり合えた感じがあり、インターンが終わったあと2人で飲みに行ったときに、「いつか小林と一緒に起業したい」と彼が言ってくれました。
その後、彼はアメリカとインドのスタートアップで働き、僕はリクルートのインターンとして働き、お互い修行期間を経て、MESONの創業に至ります。
リクルートでのインターンにて。後列左から2番目が小林、4番目が梶谷
—元々、起業する前提で修行をしていた、ということですか?
いえ、僕の場合はリクルートに正社員での入社が決まっていました。内定式にも出て入社するつもりでいたら、直前のタイミングで梶谷から再び誘いを受けたんです。
—なんだか運命的なタイミングだったんですね。
そう、前に2人で飲んだ恵比寿横丁の同じ店で、「やっぱり一緒に起業したい」と。すごく嬉しかった一方で、相当悩みました。そもそもARがよくわからないし、一度も就職せず起業して大丈夫なのか?と漠然とした不安もあった。
ただ、ちょうどARKitが出てきたときで、ダウンロードしてプログラミングしてみたら、久々に寝食を忘れて熱中していて。一瞬でARにドハマリした自分自身とARの可能性、梶谷の熱量を信じて、起業しようと決意することができました。
ー「なぜ起業のパートナーとして自分を選んだのか」は、梶谷さんから聞きましたか?
素直な性格であることと、エンジニアだけど黙々と開発するだけじゃなくて、サービスのディスカッションができるところが良いと言っていたと思いますね。
—それにしても、タイミング良く人生を変える出会いに恵まれていますよね。
そうですね、自分でもすごく運がいいという自覚があります。流れに乗っていると、うまくいくことが多いんですよね。
博報堂とのプロジェクトで見えたARクラウドの未来
—MESONを創業してから実施したプロジェクトについて、教えてください。
僕が責任者として担当した案件だと、博報堂さんと協業した「AR City in Kobe」があります。このプロジェクトも偶然の連続から生まれたもので、AR関連の勉強会で、たまたま隣に座った博報堂の方と「一緒に何かやりたいですね」と話が盛り上がった矢先に、神戸のイベントを運営している方から「ARを使った展示をお願いしたい」という話が舞い込んできて、双方をマッチングさせたところ現実になったという経緯があります。
—やっぱり引き寄せる力がありますね!
みたいですね(笑)。今回、出展した神戸の「078Kobe」は、「未来の生活を考える」がテーマでした。このテーマに沿って博報堂さんと時間をかけてディスカッションを繰り返した結果、複数人で神戸の街づくりができる「AR City in Kobe」に決定しました。
これは、AR空間に現れる仮想の神戸の街に学校やマンションを建てたり、公園を作ったり、複数人のユーザーで未来の都市開発を体験できるコンテンツです。神戸市主催のイベントでさまざまな年齢層の方がお越しになるため、老若男女に向けてわかりやすいデザインや設計を心がけました。
—ARは技術もサービスデザインも発展途上ということで、苦労も多かったのではないでしょうか?
開発期間がおよそ2ヵ月とタイトスケジュールだったことに加え、複数人が共有して操作するというサービスの性質ゆえ、開発にはかなり苦戦しました。
通常のARアプリの場合、AR空間に他人の存在はありませんが、ARクラウドでは他人と空間を共有する必要があり、そもそもの前提から異なっています。他人のアクションと自分のアクションをしっかり区別しなければいけないし、複数人で操作しないとデバックもできない。
実際に会場に行って操作してみたら想定外のエラ−が出て、開始直前までエンジニアたちと修正作業をして、なんとか展示に間に合わせることができました。
社会人になって初めて責任者を任された案件だったし、会社が生きるか死ぬかの一大プロジェクトでもあったので、正直、本番前はプレッシャーで極限状態まで追い込まれました。
—展示での反響はどうでしたか?
2日間でのべ400人の方に体験いただき、想像以上に大盛り上がりでした! 5分間の体験時間を過ぎてもiPadを返してくれないぐらい熱中してくれて。何より、この体験によってユーザー間のコミュニケーションが自然発生したのは、おもしろい発見でした。
インターネットが人同士をつなげて爆発的人気となったように、ARクラウドも人同士のコミュニケーションを生み、ARアプリケーションの可能性を広げることができると感じました。
—実りあるイベントになったんですね。
大成功に終わりホッとしたことと、博報堂担当者の方から「MESONさんにお願いすれば大丈夫だと、信頼してお任せできた」と言っていただいたことが嬉しくて、打ち上げでは感極まって号泣しましたね(笑)。忘れられないプロジェクトです。
博報堂さんとは共同研究契約を締結しているため、今後もお取り組みが続きます。現在は、ARクラウドが社会実装されたときの最適なコミュニケーションツールについて研究を進めています。
MESONをAR業界のトップランナーにするために
—8月3日に開催されたARコミュニティイベント「ARISE #1 」も、300人近くの方が来場して大盛況でしたね。
本当に濃いイベントでした。参加者一人ひとりにARについて学ぼうという真剣さが見えて、日本であれだけ熱量高いARイベントは、なかなかないんじゃないかなって。あの場をキッカケにさまざまなつながりも生まれ、大きな達成感がありました。
数々のテック系メディアにも取り上げていただき、コミュニティも少しずつ広がってきました。11月30日に行う「ARISE#2」では、さらに大規模なイベントにしたいと意気込んでいます。
—ARのグローバルコミュニティを作るという構想は、以前からあったんですか?
ずっと温めていたワケではないんですが、エンハンスの水口さんやNreal Ltd.など、さまざまな出会いが良いタイミングで重なり、今回の機会に恵まれました。
MESONは「日本からテクノロジーで世界を驚かせたい」との思いから生まれた企業であり、その思いを体現するためにも、僕らがグローバルなコミュニティ作りに挑戦するのは、意味のあることだと思ったんですよね。
2019年8月3日に開催した「ARISE #1 」にて
—創業から2年を迎えるタイミングということで、MESONにはどんなカルチャーができていますか?
自由でオープン、だけど締めるところは締めるという雰囲気は、創業から変わらぬMESONらしさだと思います。最近は僕や梶谷がいなくても若手のメンバーが自走できるようになり、強いチームができてきています。
—MESONをどんな会社にしたいと思っていますか?
何かしらプロダクトを世の中に残したいという思いが一番にあります。そのために、まずは日本のAR業界で存在感のある企業になり、将来的には世界のAR業界のトップランナーを目指したい。先程お話したARISEも、その思いの延長に生まれたものです。
—小林さんが個人として叶えたいことは、ありますか?
肉体的に死んでも、人の記憶の中で生き続けること。人は2度死ぬと言われていて、1度目は肉体的な死、2度目は忘れ去られて死ぬこと、いわゆる精神的な死を指します。身体的に死ぬことは避けられないけど、強烈な印象を与えて、誰かの記憶に留まり続けることは可能だと思っているので、精神的に死なない生き方をしたいですね。
—会社の規模を拡大するべく、採用活動も行っているとのことですが、MESONに入社することで、どんな未来が描けると思いますか?
AR業界は、今ちょうど盛り上がってきている時期で、その中でもMESONはおもしろいサービスを仕掛けている会社だと思っています。先程のARクラウドを活用したコミュニケーションツールの研究だったり、オンワード樫山さんと協業した国内初のARランウェイだったり。
グローバルを見据えて挑戦ができるし、一つの職種に限らずサービス開発のさまざまな場面に関わることもできます。「何かARでおもしろいことをしたい」「世界で使われるARサービスを作りたい」と思っている方は、ぜひ僕らと一緒に未知の領域にトライしましょう!
お ま け
インタビュー直後、MESONオフィスで突如はじまったオフショット撮影会。素顔のARおじさんを、どうぞご笑覧ください。
*MESONでは、ARにおけるサービスデザインとUXの解を追求していきたいメンバーを募集中です。魅力を感じていただけたら、以下MESON公式サイトよりご連絡ください!