オープンマリッジという選択肢~Ⅵ 最終話~
私は夫に
色気(=性欲)を感じない。
「夫」としたいという
湧き上がるものがない。
それはもっというならば、
夫に対してときめかない、と同義だ。
私に限った話だが、
男性へのトキメキと性欲は、
ほぼイコールだ。
よく聞く
長い付き合いの中で薄れていった
というものではなく
夫自身にトキメクという感覚は
実のところ最初からなかった。
「彼氏ができた♡」
という事実へのトキメキはあったが、、
なのに何故私は
夫との結婚を決めたのか。
私は既に答えを知っていて、
散々口にも出してきたのだが
それに全く気付かず
ここまできた。
そしてある日、
自分の頭にふと浮かんだ一言で
そのことに気付いた。
あまりにも衝撃的で、
一瞬凍りついた。
そして静かに笑いが込み上げてきた。
今でも強烈に覚えている。
その瞬間私はトイレにいたのだが、
狭い空間の中で
1人、がーーーーーん、、となって、
可笑しくて、
笑うしかなかった。
私はこの衝撃を、
勝手にバルスと呼んでいる。
これまでの価値観が
一気に崩れ、崩壊し、滅び去ったからだ。
このバルスを機に
夫にとっての
「妻との楽しく幸せなセックスライフ」は
瞬く間に終わりを告げた。
夫もなかなか大変な女を嫁にしたものだ
と、ふと他人事のように思うことがあるが、
夫は夫で、
学ぶべき事があって
こういう世界を選んできてるのだろうな、と
また他人事のように思ったりもする。
こう書いていると
まるで夫に愛情がないように聞こえるかもしれないが、
私は私なりに
夫に愛を持っているのだ。
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