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【織々ノ記】#28 感想とアウトプット

2023年3月31日

 昨日、記事に書いた友人の漫画『這い寄るな金星』を読み進めている。感想については、また別の機会に譲るとして、今回は感想の伝え方について少し考えてみる。

 感想を作者本人に伝えることに少しハードルの高さを感じてしまう。もしかしたらこんなことを言ったら失礼に思われてしまうんじゃないかとか、的外れな読解をしていたらどうしようとか、色々と杞憂ぎみな不安が湧いてしまう。

 と言いつつも、自分の作品に関してはどんどん感想を送ってきてほしいと思っている自分もいる。これまでに文フリ現地とBOOTHと合わせて10人ぐらいの方に作品を手に取っていただいたのだが、感想フォームにはまだ1人分の感想しか来ていない(もし、作品を買ってまだ感想を送っていない読者がこの記事を読んでいたら、いつでもいいので暇な時に感想を送ってもらえれば幸いである)。

 感想がないと、結局自分の作品の良かった点、悪かった点がわからない。何を隠そう、自分が今回自費出版した一番の理由は、不特定多数の人に読んでもらって、作品をより良くブラッシュアップするためであった。

 そういう意味では、自分も読者として遠慮なく感想を送るべきなのかもしれない。もちろんその時の言葉選びには十分気をつけなければならないのだろうが。相手のことを慮りながらも、素直に感想を伝えることができれば、そして、それがわずかながらでも作者様の創作の原動力になれば、これほど嬉しいことはないだろう。


 数日前、『国文学研究』の新刊紹介の記事の依頼が来た。今の自分の研究レベルじゃ論文の投稿なんて夢のまた夢だが、新刊紹介ならなんとか自分でも書けるかもと、その依頼を受けた(修士の学生として大学に所属している以上、そのぐらいの仕事は受けないとなという気持ちもある)。

 依頼された書籍は、偶然にも以前読もうと思ってすでに購入済みのものだったので、まさに渡りに船だった。といっても例によって積読状態だったので、目下読み進めているところである。

 さて、本の感想をどうまとめたら良いものか。学術書に関しては、今まで何か文章にまとめるという経験をしたことがないので難しい。普段論文を書く際にしている読み方・まとめ方とは、また少し勝手が違うような気もしている。

 小説は読書ノートをつけていたことがあるので、やり方はなんとなく察しがつく。いや、小説の場合は極論自分の好き勝手に読んで、好き勝手にまとめてしまえば良いのだ。だが、学術書ともなるとそうもいかないだろう。一応前号の文例を送ってもらっているので、それを参考に仕上げられたらと思う。

 今回は依頼があったので、新刊紹介の記事を書くことになったが、今後も自発的にそういった記事をnoteで書いていこうかなと思う。インプットとアウトプットのバランスを取るためにも、文章の練習のためにもちょうどいい活動だと思う。

 一つ自分の中で気をつけたいのが、アウトプットが義務化してしまうことである。実際先述の読書ノートは、「本を読む=感想を書かなければならない」という関係になってしまったので長続きしなかった。学術書はまだアウトプットの行為が有効かもしれないが、小説の類いは無理矢理感想を書こうと思うと、読んでいる段階から億劫になってしまいがちである(小中学の読書感想文が好例)。

 読了後、どうしても感想をまとめたい!という気持ちになったら自発的に書けばいいだけの話だろう。そう考えると記事の前半で考えた感想の伝え方も、自然と答えが出てくる気がする。結局相手に感想を伝えるかどうかはさておき、創作者の一人として自分は、読者が自ずから感想を言いたくなるような作品作りを目指していきたいものである。

(了)