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クライマックス

7月某日、我が家の近隣では
比較的大きめの花火大会が行われる。

子供達も大きくなってきたので
最近では友達とお出掛けすることも
多くなってきたが、
小さい頃はもちろん一緒に見ていた。

体調がいまいちな時や赤ちゃんの頃は
自宅のベランダから。

もうちょっと大きくなってからは
徒歩1~2分の公園にイス持参で。

10分も歩けば実は会場に到着する立地だが
人が多いので会場まではたまにしか行かない。

花火大会の日は近くの公園に出店がわんさか


まだ次男が小さくて
やっとおむつが外れた頃のこと。
その年は珍しく会場近くまで歩いて行った。

なんせ熱いので、水筒は必須。
自販機なんてすぐ売り切れるんだから。

浴衣を着た若者、ファミリーもいっぱい。
遠くからわざわざ見に来て大変ねーと
謎の優越感とともに歩き、
ちょっとした広場の芝生に腰を下ろす。

しばらく待つと花火大会が始まった。
会場近くで見るとそりゃド迫力。
音もすごいし火薬の匂いも感じる。

打ち上げ場所に近いと
聴覚と視覚の認識にズレは生じない。

そこそこ長丁場なので水分補給しながら
家族でワーワー頭上の花火に興じていた。


くいくいっと私の腕を次男が引っ張る。
「ママ、う○ち」
は、はい??
「う○ち~」

うそやん
そうならないために家出る前に
お手洗い行きましたやん。
いや、う○ちって言うてますやん。
これは不測の事態(なのか?)

もうちょっとでクライマックスなのに~!
しかし密かに、
次男もクライマックスが近づいていたのだ。

公園のトイレに飛び込むか?混んでるよな
家に帰った方が早いか??
仕方がない、いずれにせよこの場を後にして
帰路に向かうよりほかに選択肢はなかろう。

私は次男を抱っこして急いで歩き出した。
長男と旦那はせっかくだし、
その場でクライマックスを見るため
置いていく。

私は違うクライマックス、闘いに挑むのだ。

人混みを逆流しながら小走り。
でも当時の私は今以上に体力がなく
デカ赤ちゃんの次男を抱いて走り続けることは
到底できなくて。
途中で次男の手を引き、急ぎ足に変更。
次男も頑張って小走り。

しかし・・・
無情にもその時はやってきた。
小走りにさせてしまったから
予定よりクライマックスが巻きになった。

立ち尽くす次男。

「ママ・・・出たぁ・・・」

ぬぉぉぉおおおっっ!!

出たって、何が!?
いやいや聞くまでもなく
次男のお尻の形状を見れば一目瞭然。

と同時に
花火大会もクライマックス。
次男の後ろにはスターマイン。


たぶんこんな感じ


「と、と、とりあえず・・・
頑張っておうちまで帰ろっか」

こうなってしまったらもう
抱っこはできない。
というか、抱っこしていなくて助かった。
いや、抱っこしてたらギリ持ったのか?

頭の中で自問自答を繰り返したが
勝負はもはや決まっている。
私は闘いに負けたのだ。


「ただいま~!」
ご機嫌に長男たちが帰宅。
「花火すごかったね~!次男は!?」

無邪気は時に残酷だ。

私は次男をシャワーで洗った後に
パンツまで洗う気力もなくなり、
サイズアウト以外の理由で
初めてパンツを捨てようと決めた。

「次男はキレイになったよ」

ある意味、鮮烈な記憶となった花火大会。
今年もそんな季節がやってくる。

小さいお子さん連れの方を見ると
毎回思い出す。
そして私は密かに祈る。

どうかあのクライマックスが
このクライマックスまでもちますように。

なんのはなしです火、じゃなくて
#なんのはなしですか

トイレの場所確認を怠らない


このお話、
実はよへいさんのこちらの記事を見て
思い出しました(笑)
よへいさん、ありがとうございます✨

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☀この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です☀
#クロサキナオの2024SummerBash

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