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紅音の詩

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#月

詩 「星無の満月」

 満ち足りた月  見上げるとそこにいるけれど  上を向かなければ  アンタの姿は拝めない  ポケットに手を突っ込んで  シケモクを噛み潰しながら  裏通りを彷徨う  アテもないまま  良い感じに座れる場所に着くまで  吐き捨てた煙草は  そよ風に飛ばされる  なんて自由なんだろう  そんなぼやきは  暗い闇の中に吸い込まれていった  あの月は幸せなのかな  ずっと独りなのに  そんな弱音だって  誰にも聴かれる事はない  もう一本煙草をつけ