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散歩のついでにご近所神社へ-「教えのない神道」の心地良さ

半年分の厄を祓う今だけの「茅の輪」、くぐりましたか?

今年も「茅の輪」の季節がやってまいりました!
みなさん、ご近所の神社で茅の輪をくぐってきましたか?

わが家は毎年「お、もう茅の輪の季節だね!」とナゾに盛り上がります。

季節の行事ってついつい忘れてしまうけど、愛犬との散歩コースの中で必ずどこかしらの神社に立ち寄るので、6月のこの重要な行事を忘れることはないのです。

今日は「ご近所の神社(=氏神様)を詣でる習慣がもたらしてくれるもの」をまとめたいと思います。が、その前にみなさんにも「茅の輪くぐり」で盛り上がっていただきたいので、まずは茅の輪をくぐる「夏越しの祓」について簡単にご紹介。

全国の神社で毎年12月と6月の2回に「大祓(おおはらえ)」という大規模な神事が執り行われます。12月はご存知「年越しの祓(はらえ)」、そして6月は「夏越し(なごし)の祓」です。

半年の穢れを祓い落とし、この先の半年を無事に過ごせることを祈願する大切な行事。それが、まさに今! 

以前、「夏越しの祓」に食べたい「丸いお野菜」の話をまとめたので、よかったらこちらも読んでみてください↓

神社に流れる心地よい風。お弁当食べても犬散歩してもいいんだよ!

「神社」には、ゆるやかですが、お作法があります。鳥居をくぐるとき、手水舎で手を洗うとき、お参りするとき。
※ちなみに手水舎はちょうずやと読むよ!

難しいことは何もないし、仮に間違えたとしても誰からも咎められません。神社はその「ゆるさ」が、言い換えれば「あなたの自主性に任せます」というお任せ感が心地よいし、頭のいい宗教だなぁと感じます。宗教というか、文化ですよね、もはや。

そんな「ゆるやかなお作法」。ゆるやかだけれど、「ぜひとも忠実に守りたい」と思いますよね。小さい頃から何度かやってるし、なんとなく「こうするんだったかな」と頭の中にはある。でも、たとえば「年に一度の初詣しか行かない」なんてことになると、「えーっと、どうやってお参りするんだったっけ?」と思わずググっちゃうことありませんか?

神社は地域の守り神。初詣で明治神宮に何時間も並ぶ!というのもイベントチックで良きですが、ご近所の神社に日々気軽にお参りするほうが、何倍も心地よいと私は思っています。

そもそも神社って、その地域で生活を共にする人々が集い、守ってくださる神様のために社を建て、神々を意識しながら整えてきた場所です。地域住民の「感謝」と「祈り」をささげる場であり、御神威が広がっていく場。だから、風水的にいい場所というか、「なんか気持ちいいよね、ここ」という、抜けのいい場所になっているんじゃないかなと。

わが家の氏神様は渋谷駅から徒歩10分、1092年ご鎮座の由緒ある神社「金王八幡宮」です。じつは数年前に、仕事でこちらの神社を取材させていただいたことがあり、当時ウィルチコ・フローリアンさんという権禰宜(ごんねぎ)にお話を伺いました。

まぁ、目からウロコが落ちた落ちた!! 
神社ってすばらしい! 地域にこんな場所がある日本ってすばらしい! と感動しました。

私が自分で書いた文章ではありますが、一部、引用させていただきます↓

神道は宗教ではなく、生活そのもの

「神道は「神の道」。「宗教」ではないから、教えも戒律も宗派もない。神を信じるか信じないかという質問をされることもない。「キリスト教でいうGODは唯一の絶対的な存在ですが、神道では八百万(やおよろず)の神様。悪い神様もいればいい神様もいて、いい意味で曖昧なのです」

「神社や神道は、世界遺産とか重要文化財みたいなことじゃないと思います。“遺された”ものなんかじゃないし、ガラスケースに飾って眺めるものでもない。私は“文化の宝物”だと思っています。日常に取り入れて、大切に継承しなくては。一度なくしたものはなかなか復活できませんよ」

「お参りのとき願い事をしてはいけないと思われている人もいるようですが、そんなことはありません。神様に何かをお願いしてもいいし、逆に何もお願いしなくてもいい。お参り=ご挨拶、ですから」

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神社が神聖な場所であることは間違いない。歴史的、建築的に価値があることも自明の理だ。でも、そこに堅苦しい戒律はないし、神を信じて祈りなさいと強要されることもない。必要なのは、人々が敬い続けてきた場所を大切にしよう、という“想い”だ。

「その想いがあれば、境内でお子さんが遊んだって失礼にはあたりません。むしろ神様はにぎやかなのがお好きですから」それはとても寛容で、いい意味でゆるくて、親しみがわく感覚ではないだろうか。地域のコミュニティの幸せにつながっていく場所、それが神社なのかもしれない。

お弁当を持っていって境内で食べてもいいし、犬の散歩をしてもいい。ウィルチコさんはそう教えてくれました。

でももちろん、「地域の大切な場所」ですから、ゴミを散らかすとかウンチを置き去りにするとか、ホント、あり得ません。それは、過ごさせてもらう私たち側が率先して気遣う、当たり前のこと。なんなら、汚れている場所、落ちているゴミをきれいにしていくぐらいのことをしたくなります。

子どもを連れて遊びに行くのもおすすめです。「敷居はふんじゃいけないよ。またぐんだよ」から始まる「ゆるやかなお作法」を一緒に実践することで、日本人の気づかいとか美意識とかが、なんとなく、でも確実に身に付いていくと思います。

わーわー走り回っていても、「神様がびっくりしちゃうよ!」のひと声ではっと立ち止まり、その後は静かに遊んでいた子もいました。神社に流れる心地よい「気」は、こどもにもわかりますから。

ゆるやかに神様に感謝しながら、「ご挨拶」をしていく。
そんな風に日常的で、なんとなく背筋がピン!とする場所なんですよね、神社。

「一礼」を何度も繰り返す。なんだろう、この心地よさ

さて、茅の輪くぐりに話を戻しましょう。

茅の輪くぐりにもお作法はあります。神社によって少しずつ違うかもですが、こういう↓掲示がだいたい出してあるので、それに従ってやってみましょう。

一般的な「茅の輪くぐり」の作法をご紹介します。

まずは茅の輪の正面に立って一礼。
正面から茅の輪に入って、8の字を描くように3度茅の輪をくぐりますよ。
(この後愛犬にもくぐらせましたが、まずはカメラの背後でお利口に待機中♡)
左まわりでぐるりとくぐり、また正面に戻ります。
正面に立ったらまた一礼。今度は右まわりで正面に戻ります。
正面に立ったらまた一礼。再度左まわりで正面へ。
正面に立ってまた一礼。
くぐったらそのまま神前に進んで参拝します。

とにかく八の字を描くようにくぐるのがポイントのようです。私としては、くぐる前に毎回一礼する、というのが神道的で良いな〜と思いました。

めんどくさい、なんて、不思議と感じないんですよね。一礼するだけならおそらく1秒にも満たない短い時間。でもその「一礼」こそが気持ちを鎮め、清々しい気持ちにさせてくれるような感覚になります。

「神社の前で一礼」を犬にもしつけ中!

愛犬の散歩コースでよく通るのは金王八幡宮以外に、渋谷の氷川神社もあります。これまたとても立派な、心地よい神社。秋のお祭りには参道に屋台が並び、区外からもたくさんの人が訪れます。

今、うちの犬に教えているのは「おじぎ」というコマンドです。
鳥居をくぐる前、参道で遊ばせてもらい鳥居をくぐって帰る前。家族全員で立ち止まり、犬に向かって「ハイディ、おじぎ!」。まだまだオヤツの力が必須ですが、少しずつかわゆい「おじぎ」ができるようになってきました。

いつか、「お手」や「おかわり」や「待て」や「付け」のように、「おじぎ」が普通にできる立派な犬に育ってほしいと思っています!

たまに立ち寄る猿楽様。二礼二拍手一礼のお作法は
ひとりではできないので補助つきでW

さて、2024年も「夏越しの祓」は6月30日。今年は日曜日ですね。

茅の輪はすでに設置されている神社が多いはず(もちろん設置しない神社もあるので、調べてみてね!)。ちなみにわが家の氏神様では、6月17日ぐらいに茅の輪が登場してました。7月15日までくぐれるそうです。そして30日には「夏越の大祓」が斎行されるそう。

神社に立ち寄るご近所さんぽ。一礼して「ご挨拶」するだけでも心地よいものでございます。

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