秋の夜長に(一年前のこと)
秋の夜。過ごしやすいですよね。
昼間結構な気温になっても、夜はスッと涼しくなる。
リーンリーン、虫の声がまた雰囲気を高めます。
しかし、眠い!
秋の夜長は、眠い!眠すぎる!
心地よい気温に眠気が襲う。
でも、夜長には起きていたい!楽しみたい!
ということで、重い瞼を押し上げて、私は少しの夜更かしをします。
先日、何年振りかのゲームを手にした私。
DSで、トモダチコレクションをするのが楽しい。
好きな芸能人と結婚をして、その後離婚。
その後別の好きな俳優さんと再婚。(好きな芸能人しかいない)
トモダチコレクションで人生を右往左往している私。
しばらくしてソフトが1つでは物足りなくなった。
「おいでよどうぶつの森」を買った。
「おい森」と呼んでいる。あっているだろうか?
去年大流行した「あつ森」の第一弾?なのかな?
去年の流行の模様をテレビなどで見て、私には何が面白いのか検討がつかなかった。
そもそも、ゲームの世界は無知に近い。
ゲームの面白さをどうのこうの語るほどの経験もない。検討もつかないはずだ。
そんな私が「おい森」に手を出した時、夫は「信じられん。あんなにわからんと言っていたのに」と豪語した。
さてさて、つまらなかったら、それはそれでいいじゃないか。
なんでもやってみなくてはね。中古のソフトの中でも、値段は高い方だった。
おう、過去であろうと人気があったことを物語っているじゃないか。
ピロン。始まった。私の「おい森」。
始めてみて、、
私はしばらく、怒りの嵐だった。
何これ?何これ?わけがわからない。ムカムカーといった感じだ。
まず、借金してるところから始まる。
たぬきが家を勝手に建ててくれてるのだが、それはタダではない。
借金を返済しなくてはならない。
なんてこった!
借金は嫌い。現実したことないけど、いや、したことないからこそ本当にイヤ。
私は借金をたぬきに返すべく、あくせくと動き回った。
その返済は、貝やさくらんぼを拾い、それをたぬきの店に売り、お金を作る。
時々、村の住人に荷物をあの子のところに届けてくれよ、と頼まれ、
それをするとお礼と言ってお金をもらえたりする。
その、荷物を頼まれるのにも腹が立った。頼まれるのはいい、
しかし、必ずその届ける相手は家にいないのだ。
なので、村中を探し回らなくてはならない。まだ慣れぬ村の地をぐるぐる動き回り、
ようやく届けると、届けた相手が言う。
「ありがとう。と伝えて」
ぬおー自分で言ってよ!
なぜなら、それを伝える相手も家にいない。また村中を探し回ることになるのだ。
しばらくそんなことで、お金を稼いでいると、たぬきの店が改装し、大きな店になる。
すると、今まで売っていなかった、虫取り網や釣竿なんかが売られ始める。
早速どちらも購入。
魚を釣る方が虫を取るより簡単ですよと、ネットで調べたら書いてあったので釣りに勤しむも全然釣れなかった。これ、難しいです!
虫取り網に変えて、虫を取りまくった。
と、、ここがまた怒りポイント。
虫をたぬきに売って、できたお金を返済に回すのだが、そのことが心痛かった。
なぜ、自分の家の借金を虫の命で払うのか。
虫には、自由に飛んだり跳ねたりしていて欲しいのだ。
しかし、私は釣りがド下手なので、虫を取るしかない。
私の情けない技術のせいで、優雅に舞う蝶を、バシッと取ってせっせと売りに行く自分がいやだったが、そもそもこの設定にしたゲームにムカムカきてもいた。
私はそんな気持ちを抱えつつも毎夜虫取に勤しんだ。
夜になると見えづらい鈴虫なんかは、そのリーンリーンという声でどこにいるか察知し、素早く取れるほどになった。
時折、現実世界の鈴虫の声と混じり、これはゲームの鈴虫なのか、外から聞こえるのかわからなくなって困った。ゲームの鳴き声はそれほどリアルなものだった。
さぁ、たくさん取れたぞ!売りに行こう!とたぬきの店を目指す。
がしかし、夜の11時も過ぎるとたぬきは店じまいをしてしまう。おい!
現実の私の自由な時間は、その辺から始まるのに!
ゲーム機の時間をずらすといいとネットで見て、
ゲーム世界を2時間遅らせる策を取ることにした。
夜な夜な、瞼は重い、眠い、、しかし借金がある。
必死こいて、私は虫やら貝やら、さくらんぼを取りまくった。
はにわのようなものを売ったりもした。
もう、何が楽しいのか。。全然楽しくない!
でも、借金は返さなくては!
なんの使命感か、わからないまま借金返済にあけくれた。
そして、ようやく!よーーやく!!
借金を返し終わったのである。
これで肩の荷が降りた。これで、心置きなくこの世界を楽しむことができるぞ。
私は晴れやかな気分だった。
たぬきを訪ねればさぞかし褒めてくれるだろう。
「よく返し終わったね!」と笑顔で言い、
「君ほど早い返済者はみたことないよ。さぁ、好きな品物を持っていくといいさ」
くらいのことを言ってくれるかもしれない!
私はうきうきとたぬきの店のドアを開けた。
たぬきに近づき話しかけるとたぬきは言った。
「お金返せたんだね。ところで、もっと大きい家に住みたくない?」
。。。。「えっ??」
「そうする」と「いやだ」という二択のボタンが現れる。
迷わず、「いやだ」と選択する。
「またまたー、かおくんほど稼げるなら、もっと大きい家の方がいいよね?」
とたたみかけてくるたぬき。
。。。。。「えっ?」
「いやだ」を選択。
「またまたー、かおくんほどの。。。。。」と同じセリフ。
そのうち「屋根は何色にしようか?」と強引に屋根の色を選択させる。
そうなったら、もう逃げ場はない。
「なんじゃこれーー!嫌なのにーー」
私は心の声と裏腹に、屋根の色を選ぶ。
「じゃ、明日までに建てておくね」とたぬき。私はがっかり。
次の日ゲームを始めてみると、少しばかりか大きくなった家に私はいた。
たぬきを訪ねると「タダってわけにはいかないから。。」と金額を告げられた。
ガーーーン。もう、ガーーーン。
こないだより高額!ガーン!
このゲーム、借金抱えながら遊ぶんだ。。
その後、納得いかなくて、もう1度借金を返済し、
たぬきのところに行ったら同じ流れだったので、
どうすることもできず、ショックを受けた私は強行突破!
セーブせずに電源を落とした。
たぬきの逃げ場のない「大きい家にしなよ」。
そこからダイブするにはそれしかなかった。
掘り起こした化石を売ってまでお金を作っていた。化石は高く売れた。
けれど、もうそんなの嫌になったのだ。
電源を落とし入れ直す。
借金を返してないことにして、化石を博物館に寄贈した。
虫も売らずに博物館に持っていった。
その他貯めたお金は貯金して、可愛い服などを買った。
一気に優雅な気持ちになった。
たぬきは借金を取り立てることもなく、ローンを返済する場所の受付の子は夜遅くいくとやさぐれた感じで「マジで返済してんの?」と心の声を聞かせてくれる。
それを知って、そんな必死で返さなくてもいいお金らしいことを理解した。
そう。
もう、これは家のローンを抱えて生きるゲームなんだと思うことにした。
返済は少しづつしようと決めたら、少しゲームが楽しくなった。
そのうち、釣りのコツも覚えて、最近はもっぱら釣りをして、
魚を博物館に寄贈したり、部屋に飾ったり、たぬきに売ったり自分の都合でやりくりをしている。
虫を取ることは滅多にしなくなった。
洋服のデザインをすると、それを村人が着ていたりする。それを見て、にやり嬉しい自分がいる。
「もう、ここを引っ越すことにした」と村人が言い出せば、
「行かないで!」と止めたりすると引っ越さずいてくれる。
手紙を出すと次の日、返事が来る。
いい印象を持っていなかったたぬきも、ただの商売人なのだと思えばなんてことなくなった。
地道に10000づつ返している借金もそろそろ完済できる。
またたぬきは逃げ場のない会話をするだろう。
いいさいいさ。私の家を大きくするがいいさ。
気負わず返すからさ。
怒り心頭の私の脳みそは、楽しむことを見いだした。
良かった、良かった。
「あつ森」はもっと進化して、もっと面白いんだろうな。
そりゃ、流行るわけだわ。
1年遅れて、「あつ森」の流行るわけがわかった。
ゲームってすごい!
※ゲーム内のたぬきのセリフなどは私の記憶状のもので、まるっきりゲーム通りではありません。そんなふうなセリフ。そんなふうな雰囲気と、捉えてくだされば幸いです。
今日も読んでくださり、ありがとうございました。
一年前のこと秋頃書いたものです。
その、おい森は、今はしていません。。
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