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詩〈過去作〉 夕焼けろ空

高校時代の遺作vol.1



夕焼けろ空


今日と明日が交差する

そんな浮足立った頃合いに

もう戻らない背を追って

伸ばしてしまった手を引き寄せる

何も掴めなかったくせに

ほんのり暖かく

目の前が一段と霞むせいで

うまく立てない

最後の一言くらい

もっとふざけてほしかった


クッションの代わりに抱いた背が

ぐるぐる

  回って

    ぐるりん

ぱっと

  弾けて

目に見えないほどの小さな球体

蒸気に似た何かに変わって

ぽとり、と

こぼれた

抱え切れずに流れ出す

彼らが

ひとつぶひとつぶ


じっくり

ゆったり

ぽたっ、と


体温が上がる

声が濡れる

彼らの乱反射が部屋を埋め尽くす

自分でもわかるくらい脈動が激しく

しょっぱくて苦い彼らが

溢れ出して きりがないほど


斜陽が余計に強く照りつけて

顎先の彼らを乾かしていく

乱反射に映る二つの影も

鼻につく甘く酸っぱい匂いも

そろそろ寿命を迎えるらしい


でも、もう少しだけこのままで

この時間が、この景色が終わるまで

どうか もう少し

なんて

浮き足だった頃合いに

ふと、思うのだった















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