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カツにマケル
田舎道を車で30分ほど進むと、
昔から有名なポークソテー屋さんがある。
昔から、ね…
何十年も昔、なんて、
冗談のように使っていた言葉なのだけど
実際、30年ぶりなんだよなぁ…
何十年前に一度だけ訪れたそのお店は、
昔と建物の向きが違っていた。
よくそんなの覚えていたな俺の脳みそ。
脳は何のためにそんな記憶を残すのか。
もう着ないけど、てゆーか着れないけど、
ワンチャン痩せたときの為にとっておこう!
くらい無駄な備えだと思うのだが。
ふと見上げると、記憶と違った光景もある。
お店の看板には
『とんかつ・ステーキ』の文字が。
ポークソテーが有名なのは間違いないが、
元々はとんかつ推しのお店だったのか。
カラカラカラ
比較的新しい扉の先に、古びた店内。
新しいテーブルの上に、古びたメニュー。
本当は、ポークソテーの『ニンニク焼』
を食べに来たのだけど
メニューのいちばん上に書かれた
『ヒレカツ』の文字が僕を阻む。
そっか。とんかつ屋さんなんだよな。
食べたいものを食べればいいのに
店のイチオシ的なものは食べておかないと!
って気になるのは何故だろうか?
誘惑に負けた。トンカツに負けた。
はいはい、わかったよ。
頼んでやるよー。
ぶーぶー。
30年前はブラウン管だったハズの
テレビを観ながら到着を待つ。
…おぉ。急にめっちゃいい匂い!
ニンニクって匂いからウマいな。
ニンニク焼が食べたかったな。
後悔するまでが早すぎる。
トントン拍子すぎる。
「お待たせいたしました」
僕を惑わせた不埒者、
大判ヒレカツ定食が現れた!
でかっ
( '༥' )ŧ‹”ŧ‹”
( '༥' )ŧ‹”ŧ‹”
…ん?
帰り道。
1人前のヒレカツと共に
30分の帰路へ着く。
なんだろう。飽きた。
まだお腹いっぱいじゃないけど。
カツを大判にしておきながら
大判にした分くらいしか食べてない。
なんか最近、ハズレばっかりだな。
先月のトンカツも食べきれなかったし
…あ。そういうことか。
こんな都市伝説を知っているだろうか。
『40歳から、油モノが食べきれなくなる』
実話だったんすね…( ̄▽ ̄;)
子どもの頃から、大好きだったトンカツ。
受験の日に、朝から食わされたトンカツ。
カツに負ける日が来るなんて
歳はとりたくないもんだ
ぶーぶー🐽
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ご飯2膳を食べきった学生時代🍚