大きな喪失感をサポートしてもらったケアサポートのご紹介
死別の悲しみは、人生観・倫理観ですら打ち壊すと言われています。
子を亡くした私は喪失体験からの悲しみだけではなく、希望を失うと共に、罪悪感、自責の念、後悔、心身の不調、外に出られない、人と話せない、一人になりたい、家族との不和、友人と会えなくなる、色んな影響につながりました。だからこそ、ケアの大切さを実感しています。
今回は、そんな私が実際にサポートしていただいた、自助サポート団体さんの一部をご紹介します。(長文です)
どの団体さんも長く活動されているので、ご存じな方も多いかもしれません。
1.不育症の理解を広げる「不育症そだってねっと」
私たちの願い
「不育症そだってねっと」は、不育症に対する理解や支援をお願いすべく活動をしております。
不育症はまだあまり一般的に知られておらず、治療をせずに流産や死産を繰り返して悲しい思いをしている女性が多くいます。
しかし、実は不育症は適切な治療を受ければ80%以上の確率で出産にたどり着けるといわれています。私たちはこのような悲しい思いをする女性を一人でも減らしたいと思い、不育症の周知を進めていきたいと思っています。
また、不育症の治療には多額なお金がかかることが多くあります。このお金を払えないがために、赤ちゃんをあきらめてしまうご夫婦もいます。私たちは 金銭的理由で赤ちゃんをあきらめてしまう人がいなくなるよう、既に不妊症治療に対する助成金が国から出ているのと同じように、不育症に対しても助成金を出していただければと考えています。
一人でも多くの、不育症で苦しんでいる患者さん達の「声」を世間に届け、不育症に対する理解、支援を求めていきたいと思っておりますのでどうぞよろしくお願いします。
引用:不育症そだってねっと
2度の流産後、不育症を調べていくうちに、一番最初に見つけたのが「不育症そだってねっと」でした。
当時、杉ウィメンズクリニックのHPでも紹介されており、不育症を全く知らなかった私は、不育症を周知しようと活動されていることへ大きな感銘を受けると同時に、HP上に載っている体験談の声に救われました。
2度目の流産をした2011年当時、「不育症そだってねっと」では流産死産者の声を集め、公的機関へ助成金を求めようとスタートされていた頃でした。そこで、自分の2度の流産経験が役に立てば、と代表の方にメールを送りました。
代表の方からは、「とても辛く悲しかったこと、今は思いきり自分をいたわってあげること、今回のことは決して自分のせいではないから、自分を責めないように」と丁寧なお返事をいただきました。とてもありがたかったです。
そして「良かったら一緒に活動しませんか?」とお声がけもいただきました。
当時の私は精神的にまだまだ不安定で、不育症の検査結果も異常がなかったこともあり、メンバーとして活動はさせていただくことはありませんでしたが、アンケートなどを通じて協力させていただきました。
そして、10年たった今、ようやく自分の経験がもしかしたら誰かの役に立つのかもしれないと思えるようになり、再び代表の方へ連絡をとりました。
色んな流れから、改めて活動のお誘いをいただき、現在は「不育症そだってねっと」のメンバーとして、微力ながら活動のお手伝いさせていただいています。
今後、「不育症そだってねっと」でイベント等を行う場合は、noteでもお知らせいたします。
2.グリーフケアの「WAIS(お空の天使パパ&ママの会)」
WAIS(With the Angels in the Sky)
妊娠初期から周産期、新生児期にお子さんを亡くされた方を対象とした悲嘆(グリーフ)のケア・サポート団体です。
WAISの目指すもの
わが子を流産・死産・新生児死で亡くすという体験は、大変過酷なものです。ときには、深い悲しみにつつまれたり、社会から孤立感を感じてしまうことがあります。
WAISは、セルフヘルプグループとして、体験者を、体験直後から人生の長い期間にわたってサポートしていくことをめざします。
また、体験者ひとりひとりの体験と亡くなった命を尊重し、きめ細かなサポートにつとめます。
長く時間がかかったとしても、ゆっくりと、自分の歩みで歩き始める日まで、傍らにいる存在でありたいと考えます。
子どもを亡くす悲しみに対する社会一般の理解が深まるように願い、悲しみの形、必要とされる支援をはじめとする患者からの情報を発信していきます。
かけがえのない命へのサポート体制が一層進展しますように願い、医療・看護・心理領域の研究者と体験者の橋渡しをしていきます。
引用:WAIS(お空の天使パパ&ママの会)
妊娠8ヵ月での死産後、7ヵ月を過ぎたころです。
周りから「もう大丈夫だろう」という雰囲気感じ始め、子を亡くした喪失感と、周囲との温度感のバランスについていけなくなりました。
どうして自分だけがこんなに辛い思いをしないといけないのだろう?と思いながらも、月日が経過すればするほど気持ちの拠り所がなくなり、人に話したところで、「まだ落ち込んでいるの?」と思われる怖さもありました。
しんどい、誰かに話したい、という気持ちが出始め、お話し会に参加することを決めました。
「自分のペースで良いからゆっくり話してくださいね」と言われ、声が震えつつ、少しずつ話せることができました。
流産の方、私のような流死産の方、産まれてから亡くなった誕生死の方、100%同じ経験ではないですが、子を亡くした悲しみ・喪失感という気持ちが共有されること、そんな場所がある、ということだけでも大きな安心感を得られました。
2017年に再び妊娠できたものの、またも流産(この時点で流産4回、死産1回)となり、更に精神的に追い詰められていきました。
死にたい気持ちが大きくなる一方で、私が追い詰められることで、家族までも不和になり、このままでは目の前の家族までも失うかもしれないと、心療内科に行こうと思うようになりました。
でも、一般の心療内科に行っても「鬱ですね、薬飲みましょう」となるのでは、という不安がありました。
薬で治療して欲しいわけではない、ということはわかっていました。
そこで、グリーフケアと出会い、WAISさんの個別グリーフケアカウンセリングを数回受けました。
カウンセリングを受けたからと言って、妊娠・出産できるわけではありませんが、突然起きた死別体験、生きていく辛さ、これからどうしていけば良いのか、子供をあきらめるのか、死産後の家族との不和、そういった喪失体験から起きた、さまざまな悩みに寄り添ってくださり、少しずつですが、気持ちの整理をすることができました。
WAISさんではオンラインのお話し会を開催をされているようです。
3.多くの体験記に救われた「ポコズママの会」
流産・死産経験者で作るポコズママの会
●概要
流産・死産(人工死産)・子宮外妊娠・胞状奇胎・新生児死などの理由により、小さなお子様を亡くされたご家族同士の相互支援を目的として活動している非営利任意団体です。
●団体の目的
流産・死産を経験されたママやパパの心のケアに取り組み、ご家族が未来を歩いていくことを応援すること。
妊娠を希望するご夫婦の為に妊娠に向けた心と体づくりをサポートすること。
これから流産・死産を経験される人の為に、正しい流産・死産の知識の啓蒙と、適切な対応を病院・社会に求めること。
●活動内容
流産・死産経験者で作るポコズママの会コミュニティーサイトの運営
流産・死産に関する情報発信、勉強会・交流会の企画・開催
流産・死産の心のケアに関する研究、及び研究機関への協力
引用:流産・死産経験者で作るポコズママの会
こちらのお話し会に参加はしたことはありませんが、「ポコズママの会」が作成された冊子をいただいたり、ひたすら掲示板を見ることがメインでした。
まだ流産したての頃、同じ経験者が周りにおらず、ひたすら「流産 2回」などで検索していた頃です。
実は沢山の人が流産や死産を経験している、ということを知ることができた多くの体験記は、長く人に話せなかった私にとっては一つの居場所となっていました。
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10年前は今ほどたくさんのお話し会やサポート団体は多分ありませんでした。
ずっと活動を続けられていることで、流産・死産・誕生死・不育症といった悲しみがあることが、ずいぶん広がったのではないかと、本当にありがたいと思います。
私自身、こんな風に話せる(話そう)と思うまで、10年かかりました。ケアのスピードは人それぞれです。
それと同時にグリーフケアの大切さ、必要性を身をもって感じています。
そんな経験から、今、グリーフケアを少しずつ勉強をしています。
色んな形で少しずつ、みなさんの力になることができたら、と思っています。
****Kao****