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お姫様ラッコ【毎週ショートショートnote】

昔、当社営業部が作ったキャラクターは、ラッコをモチーフにした「お姫様ラッコ」という女の子だ。
黒目がちの瞳、三角の鼻。王冠もつけてなかなか可愛い。

でもぽっちゃりした子なので、世間の人々は
「お姫様ラッコなのに、これじゃお姫様抱っこできないよ」
と笑った。

人気が出ることはなく、姫は商品パッケージの裏に小さく描かれる程度の扱いになっていた。

しかし三十年後の今。
「課長、姫がバズってます」
パッケージ裏のイラストが、リポストに次ぐリポストだ。
「よし、お姫様ラッコ名義でXとインスタ始めよう!」
営業部員たちに指示を出した後、調べてみた。

プラスサイズ、いわゆるぽっちゃり型のモデルが世に出て十年ほどになる。
まだ彼女たちを起用するブランドは少ないが、スリムなモデルばかりではなく多様性を受け入れる社会になりつつあるという。

「お姫様抱っこできないよ」と笑われたお姫様ラッコに、今度はこのセリフを言わせたい。

「なんなら、あたしがお姫様抱っこしてあげるわ!」

(417字)

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#毎週ショートショートnote に参加しました。
裏お題「お姫様ラッコ」

そういえば、ラッコブームっていつだったっけ?と検索してみました。

ラッコは1982年に初めて日本に輸入された。
その後、鳥羽水族館でラッコの赤ちゃんが誕生した1984年、ラッコブームが始まった。40年前のことだ。
1994年には全国に122頭のラッコがいたが、1998年から輸入禁止になったことや、もともとラッコは神経質で繁殖が難しいことなどから、数は減り続け、2024年現在、なんと3頭のみだそうだ。
国外でも海洋汚染や、環境の変化によりシャチ等の捕食者が生息域に進出してきたことなどが原因で、いまやラッコは絶滅危惧種に指定されているという。

検索したことをまとめたメモ(kao)

全然知らなかった……。
あの貝殻を割る姿はみんなが知っていて、今でも人気があって、たくさんのラッコが水族館や動物園にいると思っていたのに、そんな危機にさらされているとは……。
ラッコファンではないけれど、ちょっとショックだ。

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【今日の見出し画像】お姫様ラッコのイメージをノートに落書き(^^ゞ
これをCanvaでお絵描きしようと試みたけど難しい(>_<)


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