アメリカ製保健室【毎週ショートショートnote】
「アメリカではトレーラーの保健室があって、養護教諭、つまり保健の先生が異動する時は自分で運転していくのよ。
内装も先生方の好みで、入りやすい雰囲気にしてるの」
その人はトレーラーの前でにこやかに話してくれた。
「自分のトレーラーを持つには養護教諭の経験が3年以上必要だったから、働いてやっと許可をもらった。
それから5年くらいトレーラー保健室やってたかな。楽しかったわよ。
でもウイルス禍で帰国して。
横浜港から新潟の実家まで運転していた時、お昼に国道沿いの食堂に入ったら、これが美味しいのなんのって。
近くに泊まって3日間通ったわ。
そしたら店主と意気投合して。年齢も近くて、出会って3日婚よ」
今頃気づいたが、そういえば彼女は、保健室の先生のはずなのに白衣ではなく割烹着を着ている。
「というわけで、旦那と一緒にトレーラーを改造して食堂にして、二人で全国を廻って営業しているの。
今日のランチ、北陸応援の魚料理だけど、どう?」
(409字)
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毎週ショートショートnoteに参加しました。
ごはんは美味しいし、人生相談にものってくれそうだし・・・
この食堂、近所に来てほしい(^O^)/
英語OKだからインバウンドにも対応?
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【今日の写真】みんなのフォトギャラリーから。
「トレーラー」で検索。
まさにこんなイメージです。
【今週のBGM】お題が出てから、頭の中に流れていたのがこの曲。
ピチカート・ファイヴ「アメリカでは」。
2001年のアルバム「さ・え・らジャポン」に収録されている。
野宮真貴さんの声ではない?と思ったら、1964年のミュージカル映画「君も出世ができる」の劇中歌で、原曲を歌っていた雪村いづみさんによるセルフカバーだそう。
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