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創作に登場する簪たち

ゲームやアニメなど、二次元コンテンツの創作の中にも、簪がキャラクターデザインに使われることが多い。


特に戦国時代が舞台のアクション系ゲームで、女性キャラクターが簪を挿していることがある。


ただ歴史背景を調べていくと、戦国時代の女性は基本、上流階級の身分であっても髪を結わないため、簪はまだ使われ始めていない。


日本髪を結うようになったのは江戸時代からであり、日本髪文化と共に簪文化も発展していったのだ。


そのため戦国時代の女性が簪を使っているのは実はおかしいこと。


キラキラとした装飾が揺れる『ビラビラ簪』も、つまみ細工で作られた『花かんざし』も、江戸時代から作られ始めたものである。


とはいえ、戦国時代の武将たちが戦うゲームって、女性の装飾品のみならず、髪型も髪色も武器も必殺技も、更にキャラクター設定もかなりぶっ飛んでいるというか、ユニークだし時代背景を完全に無視している要素も多い。


女性キャラクターが簪を髪に飾っていたとしても、実際はあまり違和感はないのだ。


それに、あるはずのない簪を挿したキャラクターがいたとしても、それぐらいに簪は日本や和の世界観を表現するのに必要な存在である、ということが理解できる。


でも本来は、そして正しい歴史的背景は、戦国時代ではまだ簪は基本的には使われていなかった、ということを知っておいていただきたい。


あくまでも日本の美を表すため、キャラクターのデザインに使われているので、正しくは江戸時代から簪が日本の歴史に登場し、広く髪に飾られ始めた。


正しい知識や歴史を理解したうえで、ゲームなどの創作を楽しむことを心よりお願いしたい。


語弊があるといけないのでお伝えしておくと、私自身も戦国時代が舞台のアクションゲームは好きでありプレイしたこともあるので、創作物を批判や否定する気は全くなし。


むしろ好きなキャラクターが簪を挿しているととても嬉しくなったりもする。


簪好きとしては、正しい歴史を理解したり把握してほしいと思うだけ。


どうかこれからも、創作はもちろんキャラクターデザインも楽しみつつ、頭の片隅には簪の正しい歴史だけをちょこっと残しておいていただけると、とてもありがたい。


オリジナルで江戸時代より前の時代のキャラクターを作るときも、出来れば簪の時代背景を念頭に置いて、創作に取り掛かることを切に願う。

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