イギリスとアイルランドのコワーキング・トレンドが示唆するもの:今日のアウトテイク#274(2024-08-18)
<アウトテイク>
・SNSに投稿するのではなく、これを自分SNSとした投稿
・記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
・いずれKindle本にまとめる予定
#今日のBGM
#今日のコトバ
#「コワーキング曼荼羅に学ぶローカルコワーキング基本のキ」受講者募集開始
9月より、「コワーキング曼荼羅に学ぶローカルコワーキング基本のキ」を開講します。
この講座は、14年前のぼくと同じく、自分たちにコワーキングが必要と考える人たちを対象にした講座です。場所貸しのビジネスありきではなく、参加するワーカーのカツドウがより良い社会にするために有効であると考える人たち、その人たちを支援したいと思っています。
自分たちのコワーキングの開設・運営をお考えの方は、ぜひ、上記のサイトをチェックください。
#お盆が明けたらコワーキングキャンプ飯部Vol.8
次回の「コワーキングキャンプ飯部」の参加表明がほとんどないので、告知も遅かったのだけど、あー、もしかしたら、皆まだお盆モードかな、と思いつつ、今更ながら「招待」てのをしようと思って、お友だちリストを見ていたら、もう亡くなった方のアカウントも結構上がってきて、しばし、そのお写真を見つめて、あー、こんなことがあったっけ、とかちょっとシンミリしてしまった。自分もええ加減いい歳になってるのもあるけれど、まあ、お盆だからね、そういう気分にもなるわけです。RIP、みんな。
ということで、今週の水曜日の夜、お集まりください。
#イギリスとアイルランドのコワーキング・トレンドが示唆するもの
CoworkingCafeが、イギリスとアイルランドの2024年7月時点でのコワーキング・トレンドをリポートしてたので共有しておく。
まず、冒頭に総括としてこうある。
イギリスとアイルランドはコワーキングスペースの密度がアメリカの約2倍もあるんですね。シラナカッタ。
周知のように、コロナ禍以前はコワーキングといえば圧倒的にフリーランサーや個人事業者の共用ワークスペースだった。
が、パンデミックを経験した企業が在宅勤務を命じた頃から、社員は自宅ではなく(洋の東西を問わず自宅で仕事できる人はそう多くない)郊外のコワーキングを利用するようになり、「RTO(オフィスへもどれ)」にも抵抗したワーカーが引き続きコワーキングを利用するようになった。
結局、ようやくそのメリットに気づいた企業が続々と自社オフィスを解約し、分散型のリモートワーク、もしくはハイブリッドワークに転換するに伴い、ますます郊外の、つまり生活圏内のコワーキングのニーズが高まっている。
都市圏のオフィスビルが軒並み空室率を上げている主な原因はそれだが、この傾向は当分続くと思われる。というか、仕事は都心の会社のオフィスでやる、というこれまでの常識が早晩なくなるのは必至だ。
ただ、それもまだ途上にある。この記事によると、イギリスとアイルランドの大都市圏と地方都市とでは、まだかなり落差がある。
簡単に数字を拾っておくと、
2806スペースのうちロンドンが788箇所でその28%を占めている。で、日本はどうか。
やや古いデータだが、2022年12月28日で2129箇所ある(ことになってる)。このうち、東京は641箇所で30%。
たぶんだが、現時点(2024年8月)では、一人でこもったり、ただ勉強机を貸すだけのようなエセコワーキングを省いたら2500箇所ぐらいではなかろうか。いや、あくまで個人的な体感値でしかないけれど。そのうち30%が東京だとすると750箇所か。たぶん、イギリスとあまり変わらないかも。
しかし、ロンドン以下の都市のコワーキング数が桁違いに少ないのは気にかかる。2位のマンチェスターが69、3位のブリストルが52、4位のバーミンガムが47と、案外少ない。あー、でも、日本もそんな感じかな。
ここで、気になる言葉が
「先進的で高度な教育を受けた労働者がモダンでフレキシブルなワークスペースを求めている」のは、日本でも東京がそうなのは容易に想像できる。
地方の人口が少ないのならスペース数も少ないのは道理だ。ただ、それよりも、全人口のうち何%の人が利用しているか、その密度がどれほどかのほうがデータとしては貴重だろう。
で、そこでどれだけ密度の濃い人間関係が育まれてどんなカツドウの舞台になっているか。そろそろ、そういう調査がはじまってもいいと思うのだが。その際、スペース数とかメンバー数とかはコワーキングの本当の価値とはあまり関係ない。
一方、アイルランドでは、
と、こちらもダブリンの一極集中が続いている。
このあと、利用料金についての調査結果がある。前提となる条件が違うけれども、まあ、そんなものかな、という感じがする。
これがロンドンの場合、専用デスクは月額250ポンド(約42,289円)、バーチャルオフィスは月額99ポンド(約16,746円)、ミーティングルームは1時間45ポンド(約7,612円)で、なぜかオープンワークスペースのデータがない。
しかし、これも需要と供給のバランスによっていつでも変化する。リポートでも、「これはリモートワーク文化が根強く、地元の需要が高いことと、利用可能なスペースの数が少ないこと、さらにこの都市の割高な生活費が影響していると考えられる」としている。ま、そりゃそうですね。
都市圏の利用料金が高いのは、元々、地代(家賃)やその他の物価が高いせいでもある。人件費も同様。
とすると、原価の安い(利用料金も安い)ローカルのコワーキングを利用するほうが、コワーカー(利用者)にとってもリーズナブルだ。まして、リモートワークありきだとすると、生活の拠点をローカルに移して、その地のコワーキングを利用するというワークフォースが一定のボリュームを持つのは火を見るより明らかだ。
それはアメリカではもう始まっている。
となるとですよ、人口減少に頭を抱える地方自治体は、あ、日本のことを言ってるのだが、日本の地方自治体は、まず何よりもローカルのコワーキングスペースの整備を進めるべきだと思う。
ぼくは移住推進派ではなくて、移働推奨派なのだが、移働する者は関係人口になりやすいから、その意味でもローカルコワーキングの整備が喫緊の課題なのは間違いない。
将来を見据えて施策を講じる。大事なことだと思います。
ということで、今日はこのへんで。
(カバー画像:Jurica Koletić)
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