未来における自分の可能性を信じている者をフリーランサーという。要は自分でビジネスを作る人のことであって、仕事を他人からあてがわれる人のことでは全然ない。
とFacebookで投稿したら、結構、反応があったので、ちょっと思ってることを書いてみる。
なんでこんな事書いたかというと、その日、電話があったから。知らない男の人から、「神戸にカフーツってコワーキングあるから、そこで訊いてみたらどうか、と言われたので」と。
何を?
「フリーランスになりたいんです」
は?
「いえ、ぼく、フリーランスになろうと思ってまして」
ええ、ええ。
「それで、人に訊いたらコワーキングてそういうとこちゃうんかな、と言うんで」
まあ、フリーランスの人、多いですけど。
「ちょっと、お話、聞かせてもらいに行っていいですか?」
話って、なんの?
「だから、ぼく、フリーランスになりたいんです」
それはもう聞きましたよ。
「フリーランスになるためのことをいろいろ訊きたいんです」
えーと、あなた、いま、どこですか?
「●●市です」
え、そこからわざわざ神戸まで来るの?
「だめですか?」
いや、別にいいですけど、でも、あなたの期待するような話になるかどうかは判らんですよ。
「ああ、そうなんですか…」
というか、いまは会社に勤めてるんですか?
「そうです。でも、いま、プログラミングの勉強してるんです」
勉強?あー、今から勉強して、技術を身につけて会社辞めてフリーランスになろうと思ってる、てこと?
「そうです、そうです。ぼく、フリーランスになりたいんです」
はいはい。いまは、プログラミングとは全然違うお仕事ですか?
「違います。で、フリーランスになるためのアドバイスがほしいんです」
うーん、なんかお話聞いてると、プログラミングの技術を身につけることがフリーランスになることだと思ってません?
「え?」
それと、フリーランスというのは仕事する上でのひとつの方法論、手段であって目的ではないですよね。なんか目的と手段がごっちゃになってません?
「あ、そういえば…」
あの、フリーランスって簡単に言うと、自分で仕事見つけて、それを要求されてる期限内で、要求されてるコスト内で、要求されてる質のものを納品してお代をいただく、ということを個人の生業としている人のことですよね。
「はい」
とすると、例えばですけど、その仕事をどうやってゲットするかとか、そこ、ちゃんと考えてます?
「いえ、特に」
まあ、いまはネットで仕事案件見つけることも簡単にできますけど、駆け出しのプログラマーが、その仕事を正当に評価してくれるクライントをどうやって見つけるか、とかイメージしておいたほうがいいんじゃないかと。
「はあ」
つまり技術だけではなくて、いろんなことやらんとフリーランスで食っていけませんよね、てことなんですけど。プログラミングだけじゃなくて。
「あー、なるほど、そういう意味ですね」
でも、技術を習得するのは不可欠ですね。仕事するための最低要件だし、いまどき、もう、一生、勉強ですもんね。…なんですけど、すみませんが、いま、うちではそういう技術系のセミナーとかはやってないんですよ。どっちかっていうと、ビジネスモデルをどーのこーの、てやつがメインで。
「そうなんですか」
ですし、ちょっと遠いですよね、神戸は。あー、でも●●市だったら、△△市が近いですね。あそこにもコワーキングたくさんあるから、そこでやってるセミナーを覗いてみたらどうですか?
「あ、そういえば、コワーキングありますね」
△△市のコワーキングのウェブサイトを全部見て回って、イベントスケジュールにあなたの受講したいセミナーとかワークショップがあったら片っ端から参加したらいいと思います。
「はい、やってみます」
で、なんでコワーキングのワークショップに参加するかというと、勉強することも大事ですけど、もっと大事なことがあるからです。
「それはなんですか?」
仲間を作る機会になるということです。共に学ぶ仲間。これが将来、共に仕事をする仲間になるかもしれません。そしたら、その人から「これ、一緒にせえへん?」とか「ちょっとテンパってるねん、手伝うてくれへんか?」とか、お互いに助け合える関係になる。
「仕事になるんですね」
そうです、そうです。コワーキングて、そもそも仲間作るところです。しかも、常に腕を磨いておかないとそういうお声もかからなくなるから、自然と日頃から切磋琢磨する状況を作れる。
「おお」
フリーランスって孤独じゃないんですよ、ホントは。というか、孤独では絶対にやっていけないです。やっぱり仲間が必要です。でも、その仲間も、えーと、ここ肝心なんですけど、自分で選んだ仲間です。え?そうそう、あなたが選んだ仲間。で、実はこの仲間の質が仕事の質を決めます。これ、逆もまた真で、仕事の質が仲間の質を決めます。難しい仕事は難しいことできる仲間がいないとできませんから。要するに、仕事ありきで質は決まるんですね。
「おお、お、おお…」
おお、て大丈夫?気分悪いの?
「いえ、考えたことなかったので」
あそ。そうやって切磋琢磨、ワークショップやセミナー参加したり、ときには自分でイベント企画したり、まあそういうことをコワーキングでやるんですけど、そうかと思えば仕事でクライアントに怒られたりしながら、自分の質を上げていく、ということずっとやってかないとアカンと思うのです。
「ふーむ」
さっき、要求されてる質のものを納めるって言いましたけど、でも、ホント言うと、要求されてる以上の質のものを納めないとアカンと思ってまして。
「はい?」
なんでかって言うと、お客さんに言われたとおりにやって納めたって、そんなん、誰がやっても出来上がりが同じだったらコストの安い人に頼むのが人情でしょ。
「そりゃそうですね」
その仕事に、その人ならではの付加価値つけて納めるから、クライアントは「やるな、あんた」と喜んでくれて、また次の仕事依頼が来るんだとぼくは思います。
「なるほど!」
プログラミングできるてのは仕事するための最低要件であって、それを習得した上で、さらにその人ならではの価値をつけないと、ただの作業員になってしまうじゃないですか。グローブはめてボールを投げられるだけでメジャーがスカウトに来たりなんかしませんよね。
「来ません、絶対」
作業だったら、そのうち機械がなんでもやってしまうでしょう?そしたら仕事なくなりますね。そうならないために何をするかというと、提案です。「こうしたほうがいいと思います、何故かと言うと…」と提案できる人になること。まあ、それ、なにもフリーランスに限った話ではないですけど、会社に勤めてる人でも、同じですけど。でもそうやって質を上げていくことで、期待以上の仕事をすることで、自分の価値てのが作られていくと思うんです。
「確かに」
これって、言ってみれば未来の自分の価値ですね。この未来の価値を、いま取り組んでる仕事で作っていくこと、要するに自分でビジネスの質を上げていくことで、未来の自分の可能性を広げられると信じてる、つまり「オレはできる」と思って頑張ってる人がホントのフリーランスだと、ぼくは思ってます。
「ううう、うーむ」
どしたの?お腹痛いの?漏らさんといてね。
「だ、大丈夫です」
要は、フリーランスて、自分の次のビジネスを作れる人のことであって、仕事を他人からあてがわれて言われた通りのことだけをこなしてる人のことでは全然ないんですよ。
「そうか、そうなんですね」
いや、ただ、ぼくはそう思ってます、っていう話です。まあ、とりあえず、さっき言ったコワーキングを片っ端からあたってみることからやられたらどうでしょうか?サイトにイベントスケジュールが載ってなかったら、電話して「こういうセミナーとかやられる予定ありませんか?」と訊いてもいいと思います。そしたら、そこの運営者の方も、もしかしたら情報くれるかもしれませんし、もしかしたらあなたの求めていることに、ぼくとはまた違う回答をくれるかもしれませんし。
「はい!そうします!」
ほんじゃ、頑張ってください。エラそうに言ってすみませんでしたけど、また、なんかあったら、今度はメールかメッセージにしてね。ちゃんと返事しますから。
「はい!有難うございました!」
ガチャ。
未来における自分の可能性を信じている者をフリーランサーという。要は自分でビジネスを作る人のことであって、仕事を他人からあてがわれる人のことでは全然ない。
未来というのは、全部「かもしれない」だ。この「かもしれない」にトライしてみること、未来の可能性を信じて次の行動を起こすことはとても大事なんじゃないかと思ってる。
マジでそう思ってる。
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ということで、最後までお読みいただき有難うございました。この記事は、毎週水曜日にカフーツで開催しているブログジェリーで書きました。
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(Photo by Malte Wingen on Unsplash)