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ドイツ鉄道のコワーキングスペース閉鎖に見る駅のコワーキングの存在意義:今日のアウトテイク#343(2024-10-26)

<アウトテイク>
・SNSに投稿するのではなく、これを自分SNSとした投稿
・記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
・1ヶ月ごとにKindleでコラム集にまとめていってます

#今日のBGM

#今日のコトバ

"すべての動物は 平等である
しかし、ある動物は ほかの動物よりももっと平等である"
(ジョージ・オーウェル『動物農場』)

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「今日のアウトテイク」からコワーキングネタだけをピックアップして、Kindle(電子書籍)でコラム集として発行するプロジェクトの第1号、販売中です。

ぜひ、お読みになって感想などお聞かせください!

#コワーキングプレス 「ペンクラブ」メンバー募集開始

今回、コワーキング協同組合が運営するウェブメディア「コワーキングプレス」にて、全国各地のコワーキングスペースとその周辺の人たちや出来ごとをリポートしていただく「コワーキングプレス・ペンクラブ」のメンバー募集を開始しました。

ペンクラブのメンバーは、モノを書くからと言って必ずしもプロのライターさんでなくても構いません。書くことがお好きなら、そしてコワーキングに愛着を感じておられる方なら、どなたでもご参加いただけます。

あなたの町のコワーキングのこと、そのコワーキングにまつわるいろんな出来ごと。それに「あなたのこと」「あなたのお話」をぜひ読ませてください。コワーキングでこんなことをした、こんなことがあった、こんな人がいてこんな話をした。何でもOKです。

詳しくはこちらを参照の上、ぜひ、ご参加ください!

#ドイツ鉄道のコワーキングスペース閉鎖に見る駅のコワーキングの存在意義

昨日に続いて、またドイツの話。ドイツ鉄道がコワーキングスペースを閉鎖へ、とな。また、なんで?

以下、ざっくりと。

ドイツ鉄道は、2020年以降、全国の駅で運営していたコワーキングスペースを2024年末までに閉鎖すると水曜日に発表した。「駅でのモバイル・ワークステーションや会議室の追加需要が予想を下回った」とし、その主な理由としてコロナウィルスの大流行以降の労働モデルの変化を挙げた。

ベルリン、ハノーバー、マンハイムにある主要駅のコワーキング・スペースは閉鎖され、デュッセルドルフ、エアフルト、フランクフルト、ハンブルク、ミュンヘン・イースト、カッセル=ヴィルヘルムスヘーエの駅周辺のスペースも閉鎖される。

え?コロナ禍後はリモートワークが浸透してるんじゃないの?と思うかもしれないが、これまでは通勤途中や営業途中で駅のワークスペースが利用されていただけで、リモートワークやハイブリッドワークが常態化すると、わざわざ駅のコワーキングじゃなくて、自宅に近い、いわゆる生活圏内のあるコワーキングを使うようになる。

ドイツのコワーキング事情については、以前、こっちに書いてる。

2020年以降、スペース数はなんと41.5%増で、稼働率を平均すると2023年に比べて大幅に増加している。なのに、駅のコワーキングはうまくいかなかった。

ここでも書いてるが、注目なのは小規模のスペースが70%を占めているという事実。明らかにコワーキングの地方分散と郊外型コワーキングの普及の現れだ。これで、駅のコワーキングを利用する理由がますますなくなった。

ワークステーションはもともと、通勤客や出張者が長い待ち時間に利用するためのものだった。しかし、利用される機会はあまりに少なかった。 ドイツ鉄道は毎年6桁の営業損失を出していると報告している。

人通りが多いからってハコ作っただけでは、通りすがりの人しか利用しないし、その人が人を呼ぶことはまずあり得ない。ずっと、新規の客(この場合は仲間ではなくて客だ)を引き寄せなければならない。コワーキングの最強のマーケティングは「コミュニティ=人」だから、ただハコ作ってオープンして誰かが来るのを待ってるだけではうまくいくはずがない。

というか、コワーキングの収益モデルは場所を貸すことだけではない、ということを微塵も考えてなかったのではないかしらね。実はそうなのだ。

せめて、デルタ航空がIndustriousと提携して、200箇所以上のコワーキングに月額99ドルでアクセスできる専用パスを提供したような、利用者に魅力あるパッケージを用意するぐらいのことをやらないと。

そういえば、日本の鉄道駅でも単につかの間の作業場をコワーキングと言ってるのを見かけるが、たまたま空いてたスペースをちょちょいと設えただけで、おざなりな印象が拭えない。あれならむしろ個室型のブースのほうが使い勝手いいだろうに、と思ってたら、やっぱりブース型はよく見るようになってきた。

駅のコワーキングといえば、昔、コワーキングツアーでおじゃました徳島の無人駅のコワーキングはユニークだったけれど、むしろ大都市圏の駅のほうが難しいかもしれない。

が、それもやり方だ。ヒント、「作業場」に特化するからうまくいかない。それに他の価値をONして提供すること。考えたらいくらでもある。

お困りの節は、いつでもご相談下されたし。お待ちしてます。

#コワーキングマネージャーにもメンタルヘルスケアが必要

コワーカーのメンタルヘルスケアはコワーキングの役割のひとつ。「コワーキング曼荼羅」にもちゃんと「健康」として上げている。

コワーキングにおけるメンタルヘルスケアについては、ここに書いてるのご一読いただきたい。これ、とても重要です。

で、このところコワーキングマネージャーの日々のカツドウを読んだり聞いたりしていて、そろそろ彼らのメンタルもケアしないと、このままではちょっとマズイなと感じている。

この記事では、コワーキングでの共同体意識が、いかに孤独と闘い、創造性を高め、生産性を向上させるかを紹介しているが、それは利用者だけではなくて運営する側も同じで、コワーキングのメンバーになることで得られる10の心理的メリットも全部、コワーキングマネージャーにも当てはまると思う。

さて、コワーキングにいながらにしてマネージャーのメンタルをケアするにはどうしたらいいか。考え中。

あー、とりあえず、相談室みたいなのをやるかな。

ということで、今日はこのへんで。

(カバー画像:Matthew Robin Dix

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「Beyond the Coworking 〜移働の時代〜」では、これからのコワーキングとその周辺に…

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