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日本の週4日就労制と減り続ける労働人口と今後増えるハイブリッドワーカーについて:今日のアウトテイク#307(2024-09-20)

<アウトテイク>
・SNSに投稿するのではなく、これを自分SNSとした投稿
・記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
・いずれKindle本にまとめる予定


#今日のBGM

今月20日にリリースされるBob DylanとThe Bandの1974年のライブ音源、CD27枚組、全431曲収録のサンプラー20曲がSpotifyとYouTubeに配信されてた。この頃のディランはいいなぁ。何唄ってもエネルギッシュで渋い。

#今日のコトバ

"本来のノマド(遊牧民)は、孤独な放浪者ではなく、集団行動を重視する人たちだった。どちらかというと、定住民よりもノマドのほうが個人の自由度は低かった。みんなで協力しなければ、生き延びることができないからだ。"
(オリバー・バークマン『限りある時間の使い方』)

#Kindleでコワーキングコラム集Vo.1、ついに発行!

「今日のアウトテイク」からコワーキングネタだけをピックアップして、Kindle(電子書籍)でコラム集として発行するプロジェクトの第1号、ついに発行されました。

長短織り交ぜて52本を収録。文字数は68,132文字。ページ数にすると154ページ(ただし、ガジェットによって文字の大きさは変えられるのでページ数は変動的)。

ぜひ、お読みください!

#開講「コワーキング曼荼羅に学ぶローカルコワーキング基本のキ」

昨日、「コワーキング曼荼羅に学ぶローカルコワーキング基本のキ」の1時限目を開講した。1時限目のテーマは「コワーキングの基礎知識と実現したいローカルコワーキングの形」。予定を17分オーバーして終了。皆さん、おつかれさまでした。いや、ホント。

初回は例によって基礎知識的なことをてんこ盛りに講義したのだが、今回、これを盛り込んだ。パッと見て判る方は野球通ですね。

(出典:日本医科大学脳神経外科学教室)

今日、MLBで前人未到の1シーズンで50/50(50ホームラン・50盗塁)を達成した大谷翔平選手が、高校一年生のとき(2010年12月6日)に書いたマンダラート。彼はドラフト一位で指名されるために8つのテーマを掲げ、さらにその8つのテーマごとに何をすべきかを曼荼羅に描いて自分に課していた。高校一年生って16歳でしょ。すごい人ですね。

で、見事成し遂げて、2012年、日本ハムファイターズに入団、2017年にメジャーリーグベースボール (MLB) のロサンゼルス・エンゼルスに移籍。怪我もあったけれど、それからは記録づくめの活躍で、昨年、ロサンゼルス・ドジャースに移籍。移籍した途端、この快挙。ちなみに彼は高校3年間で16枚、マンダラートを描いてるらしい。それ、全部見たい。

で、その記録はさらに伸びて51/51になってる。一試合で6打数6安打、うちホームラン3本て、どういうこと?もうどこまで行くのか判らない。

それと、皆、忘れかけてると思うけど、この人、ピッチャーでもあるのよね。今年は昨年の右肘手術からのリハビリ中で投手としては登板していない。これが来年、ピッチャーもやるとなったら、一体どんな記録が作られるのか。

それはともかく、今回の講座ではその名の通り「コワーキング曼荼羅」が全時限を通じての骨格になっていて、全7回を終了するときに、受講者各自が自分の理想とするコワーキングの「コワーキング曼荼羅」が描けるようになることを目指している。

え?どゆこと?と思った方は、次回、ぜひご参加くだされたし。次回は、11月中旬開講の予定。たぶん。

#日本の週4日就労制と減り続ける労働人口と今後増えるハイブリッドワーカーについて

日本人が働きすぎなのは「Karoshi」(過労死)という英単語があるぐらい世界中に知られている。そんな日本が週4日就労制を推進しようとしているという記事がAPから流れてきた。

2021年に政府が初めて週4日労働制への支持を表明して以来、日本の企業の約8%が従業員に週3日以上の休日を与えているらしい。ただその一方で、7%が法定休日の1日だけ。

厚生労働省は、時間外労働の制限や年次有給休暇とともに、時短勤務やその他の柔軟な取り決めを促進する「働き方改革」キャンペーンを開始している。最近、さらに無料コンサルティングや助成金の提供、成功事例のライブラリーの充実まで始めているらしい。助成金?シラナカッタ。

ただ、肝心の企業側の反応は(やっぱり)鈍い。例えば、パナソニックホールディングスの従業員63,000人のうち、4日間のスケジュールを選択したのはわずか150人。

会社のために犠牲を払わねばならないという同調圧力は強い。社員は通常、同僚と同じ時期に休暇を取る(夏の盆休みと正月前後)ので、同僚から怠慢や無配慮だと非難されることはない。

長時間労働は当たり前。85%の雇用主が労働者に週休2日を与えていると回答しているが、残業時間には法的規制があり、労働組合と交渉し、契約書に詳細に定められている。しかし、一部の日本人は「サービス残業」をしている。

一部の日本人じゃなくて、むしろ定時で仕事を終えるワーカーは21世紀になってもまだまだ少ないんじゃなかろうか。

ぼくらのような個人事業者は定時なんかあるはずもないけれども、それは自分の自由意志で以ってそういう働き方を選択しているからドってことはない。しかし、会社と雇用契約を結んで就労する立場のワーカーには、ここを曖昧にされていいわけはないはず。

ないはずなのだが、その当然の権利を主張することを憚る心理的な抑制が働いているのは確かだ。それを同調圧力というのだろうが、それは実は子供の頃から我々日本人に刷り込まれているような気がする。なんでも皆に合わせる、いわゆる協調性を過度に求める教育に原因があるんじゃないかしらね。

仕事とプライベートをゴッチャにしても違和感を感じない人はこのへん無頓着だが、それも世代によって考え方が違ってて、とりわけミレニアル以下の世代は会社の都合より自分の人生を優先することに躊躇しなくなってきているように見受ける。

ユニクロ、ファーストリテイリング、塩野義製薬、リコー、日立製作所なんかが、近年週4日勤務を始めたとあるが、一部の大企業だけでは合計してもたかがしれている。日本企業の99.7%を占める中小企業や小規模事業者がその気にならないと、なかなか改善されないのは明らかだ。

で、その労働人口だが、ここでショッキングが数字が出てきた。

日本の出生率が急降下する中、そのような考え方を変えることは、存続可能な労働力を維持するために極めて重要だと考える関係者もいる。
政府のデータによれば、このままでは、日本の仕事重視の文化もあって、労働年齢人口は現在の7400万人から2065年には4500万人に40%減少すると予想されている。

40年後は2900万人もいなくなってる!ホンマに?

ちなみに、総務省の長期的推移データでは、日本の総人口は2004年12月をピークに減り続けていて、2050年には9515万人になるらしい。別の推計では2060年には8674万人。で、だいたいその頃の労働人口が4500万人だと。

うーむ。

実は3年ぐらい前だったかのデータでは、日本の労働人口は2025年に6500万人になるということだった。ま、出どこによって調査結果もまちまちなので、多少の誤差は許されるだろうけれど、とすると、あと1年で900万人も減るのか?いや、それはないでしょ。え?あり得る?

うーむ。

これ、週4日就労制を導入する以前に、労働力自体が足りなくなるということではないかしらね。

とか考えてたら、

従業員のエンゲージメントを測定する調査では、日本は調査対象となったすべての国籍の中で最もエンゲージメントの低い労働者であるとランク付けされている。世界平均の23%に対し、日本人はわずか6%だった。

6%!誰も自分の仕事を愛していない?いやいや、やってる?文字通り、ライスワークとして?なんか悲しい。

ただ、一方で、コロナ禍がやってきて、あらためて自分の働き方を見つめ直したときに、生き方を変えることにした人は多いはず。人生、一回しかないからね。

はっきり言ってしまうと、そんなに会社勤めが楽しくないのなら、さっさと独立して自分のやりたい仕事をやったほうがいい。絶対いい。企業にいたとて、昭和の高度成長期みたいに安定なんてことはもうあり得ない。今や、転職は当たり前だし、いつ何時、潰れるか判らない。

まして、自分の望む部署に配置されるかどうかも判らないし、転勤だ、単身赴任だと会社の都合で家族生活が振り回されることになりがちだ。昔はそれでもよかった、企業戦士とか言われて、というか、いいと考えるワーカーが多かった。概ね、日本中がそういう労働観だった。苦しいことも耐えてやればきっといいことがある、と。でも、もうそういうのは幻想だろう。

かねがね、パンデミック以降は企業に勤める人が毎日通勤をしなくなり、ハイブリッドワークで自宅に近いコワーキングを利用するようになると言ってるし書いてるが、こうしたハイブリッドワーカーたちがコワーキングでさまざまな属性の人たちと接することで、あらためて自分の仕事とは、暮らしとは、生きるとは、を考えるようになると思う。

なんか、他に、やり方、あるんじゃないか?と。

そう、あるのだ。

企業の中にずっといるとその事に気づかない。考える暇もない。話し合える同僚がいたらまだしも、それこそ同調圧力で口ごもってしまう。

コミュニケーションありきのコワーキングで、今まで考えたこともなかった世界観や価値観に触れ、仲間を得て、自分の人生を歩き始める人が現れるとぼくは思っている。それを応援するのもコワーキングの役目だ。

例えばだが、パンデミック以降、東京圏のIT企業のワーカーが二拠点生活の場として長野県佐久市を選び、地元のコワーキング「ワークテラス佐久」を利用するようになったのがきっかけで、休耕地になっていた田畑で農作業に勤しむカツドウ「地域複業」がはじまっている。

きっと、他の地域でも同様のことが起こっているはずだ。

週に4日、会社の仕事をして、残りで自分のやりたいこと、それは仕事に限らずさまざまなカツドウができる、そういう時代になっていくんだと思う。そういう時、せいぜい、コワーキングを活用しよう。

なお、海外の週4日就労制への取り組みについては、何度も書いてる。ご参考まで。

ということで、今日はこのへんで。

(カバー画像:Ryoji Iwata

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「Beyond the Coworking 〜移働の時代〜」では、これからのコワーキングとその周辺に…

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