少しずつ超超超短編が追加されていくnote 100話まで
ーーー1 頭蓋骨のどじょう
クーラーの温度を下げ、毛布を首元まで上げる。きらりと光るネイルがぼんやりと眠りかけていた意識に冷水をかけて連れていく。ふらふと起き上がり床に足を付け黒いテーブルまで歩を進める。その上にある爪切りを左手に持って、一際長い小指の爪を根元から切った。同じく黒い棚の小さな引き出しの中から真珠の玉を摘んでベランダから落とそうとしたところで左手首にどじょうが巻き付く。骨の軋む音が響いて目覚まし時計の音と重なり頭蓋骨にハンマーで殴るような衝撃を与えられた。目