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「嘘こそ文学」と言われて

公開最終日なので
食べる寝る以外に握りしめているペンを放り投げ
はるばる新宿まで行ってきた。

50席しかないミニミニで
過激派ポスターがお札貼りしてある
癖つよシアターだった。

観客はおじさんか若い女性のどちらかで
当然、互いに無言で
どんな理由でここに来たのだろうと思いながら
2時間ともに時を過ごした。

鑑賞後、急いで買っておいた原作を読んだ。

いろんな言葉で立ち止まって
処理して考えて
記録して
またページをめくって

やっぱり出会うべくして手に取ったのだと
ヴァネッサのところどころに自分を見つけて
改めて性と文学、芸術への執着を自覚した。

そして観る前、読む前と比べても
彼らに対する態度は変わらなかった。

「その告白は彼の意図しないプレゼントだった」
とあったように
彼女は彼を愛していて(恋愛のカテゴリでなく)

やっぱり自分は
彼らをまるごと嫌いになることはないし

断固否定する役割が沢山いるならもう十分で
いやむしろ沢山いるべきだと思っているし
でもその上で、彼らの過去を考えることが
自分のやることだと思う。

何をするにも
誰に関してもそうだけども

書くことと、自分という存在は
常に加害と被害であることを忘れずに
諦めずに、わがままに続けていきたい。

わからない
気味が悪い
なんで
と言われ続ける。

それに自分が一番そう思っているから
はいとしか言えないのだけど

こういう極小でレアな石を見つけ出しては
安堵して喜んで咀嚼して
毎日をちゃんと生きていけるだけで
それだけで幸せなことだと思える。

芸術や文学は罪だけれど
果たしてそれがなかったら生きていたか
感謝しないでいられるか

キモい、と言い放って終わることは簡単すぎる。

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