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⑧猫を家族に迎えることについての私個人の考え。

ここで、わたしや、私の家族や親せきなど含め、猫とどんなふうにかかわってきたかを書いてみたいと思います。といってもそんな大それたことではありませんので気軽に読んでください。

わたしの家族は東京の下町に江戸末期くらいから住み続けている、いわゆる江戸っ子です(笑)
飼い猫がいたかどうかは、祖父母の時代からしか聞いていませんが、猫や犬は、いつも、家にいました。私が子供の頃までは、近所にもたくさんの猫がいました。実家も木造でいつも縁側のガラス戸や勝手口が開いていて、庭の塀を乗り越えれば簡単に外に行き来できるような家でしたので、猫は、家の中と外を自由に出入りしていて、お隣さんの屋根から屋根へ飛び移って、近所の人たちもどの子がどこの家の猫さんか、を認識しているような、そんな平和な時代でした。動物病院も数えるほどしかなかったですし、地域猫とか保護猫とかの言葉もありませんでした。
親戚も猫をかっている家が多く、歴代の猫たちは親戚宅で生まれた子をもらったり、近所から譲り受けたり、猫を飼うというのはそういうものだと思っていました。逆に、血統書付きの猫というのは山の手のお金持ちのセレブが飼うものだとおもっていて、自分たちには縁のないものという感じでした。

だんにゃもそのご家族も、みんな猫や犬が好きで、道でけがをしていた瀕死の猫を何匹も拾ったそうです。そして、義母は、そういう子たちやじぶんの家で飼ってきた歴代の子たちを、みんな自宅のお庭に葬っていて、このあたりにはあの子が眠っている、あのあたりにはあの子が、、その子たちの上には、それぞれお花を植えたそうです。そのお花が自然と株分けされて繁殖して、お庭中がお花で埋め尽くされています。
義母のお庭は、肥料も殺虫剤もつかわず赤土のみで、草花が自然に咲く、ナチュラルガーデンです。

ママの庭


おじいさまのご遺影は、大切にされていたウサギを優しく抱いている写真でした。馬も大好きで、何頭にも出資されていたそうです。

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動物も植物も。いきものが身近にいるのがあたりまえのくらし。

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ちょっと余談ですが・・

かつて四ツ谷の花街に漂った、三味線の音色…
若いメス猫のおなかの皮がとくに艶っぽい音を出したとか。
お店の屋号に看板の絵。
なんだろう、ぜんぜん、イヤな感じがない。
もちろん今とはまったく価値観のちがう時代。
でも、わたしたちは、いまも昔もたくさんの動物のいのちをいただいて、生きている。猫が笑顔でお三味線を持っている絵に、動物愛護とかそういう表面上のことじゃなくって、もっともっと根源的な無意識下での、いのちへの感謝とか共生みたいなものを感じて、はっとさせられました。

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近くに住むいとこが、個人的に猫をたくさん保護しては親戚や知り合いに声をかけたり、動物病院に張り紙をしたり、ということをしていました。とくに意図をもって活動しているとかではなく、たまたま、けがをした子に出会ってしまう、それをほおっておけない、というだけのシンプルなことです。
猫だけでなく、鳩やスズメも、けがをなおしては外に送り出したりしていました。好きでやっているわけではなく、できることなら出会いたくない。と言っていました。いとこは並外れた感受性があって、そのセンサーが、救いを求めるテレパシーをキャッチしてしまうのでしょう。
わたしは、そのいとこのお姉さんとは、シンクロニシティを感じることが多かったです。

いとこが保護して義母の家で飼ってもらうことになったルイちゃん

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わたしは、「保護猫シェルター」というものがあるということを、西小山にあった「CATS安暖邸」のまえを通りかかってはじめて知りました。
そして、いつからか、毎週末、通うようになりました。
片方の前足がない、パステル三毛の女の子に出会いました。
とっても明るい表情をしていて、始めてあったときにおひざに乗ってきてくれた子です。
その子のことが、とてもとても気にかかっていて、その子との生活を勝手に想像したりしていました。

でも、その時に思いました。
この中から、「誰かを選ぶ」ということができない。
わたしが誰かを選んだとしたら、選ばれなかった誰かがいる、ということになる。なんというか、「家族になる」って、もっと必然的なことだと思う。
だって、生まれてくる子を選ぶことはできないけれど、どんな子が生まれても、最愛の我が子になりますよね。それと一緒で・・・

「自分たちにめぐり合わせてくれた子」
「自分たちにしか救えない子」

それが、グレでした。

わたしたちは、グレ以外は、考えられませんでした。
グレと生活をするために、住まいを探す。
でもそれはけっこう大変なことでした。。。。

(つづく)


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