人生の転機は、うつだった(6)
休職申請書の中身が読めなかった。
休職の診断書をもらった翌日、人事課で休職の手続きをしました。
その日は、まるで固いゼリーの中を進むような感じで、1歩歩くのもつらい状況だったので、パートナーでもあり、職場の同僚でもあったツンツンデさんに、付き添ってもらいました。
担当者から休職申請書をもらい、「内容を読んでから、印つけてあるところに、必要事項を記入してください。」と言われたので、読みました。
読みました。
読みました。
そして思いました。
「なにこれ、宇宙語?書いてあることが認識できない・・・・・・」
書かれていることは見えています。でも、文字として認識できないのです。
しかたがないので、内容を理解することはあきらめて(というより、内容が怪しいわけはないので)、「どこに、なにを書いたらいいのでしょうか?」とツンツンデさんに聞きました。
ツンツンデさんが、「ここに今日の日付、ここに自分の名前、ここに自分の住所と、ここに緊急連絡先を3名分書くんだよ。1人目はこの欄、2人目は・・・」という感じで、ゆっくり丁寧に説明してくれました。
よし、ここに名前ね。名前・・・・・・って、あれ?
ペンを持ったものの、名前が書けませんでした。
愕然としました。
せめて名前くらいは書けるだろー。
書けないのです。文字の書き方を忘れてしまったかのようでした。
ペンを持ったまま、私は泣きそうになりました。
結局、ツンツンデさんが代筆してくれました。
文字が読めないことで、メールや新聞、スーパーの張り紙など、いろんなものが読めなくなりました。
でも、ラインメッセージとゴシップ記事の内容だけは、不思議なことに、すっと頭に入ってくるのです。
これはいまだに、なぜだかわかりません。
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