えんまふしんにん!
「では、判決を言い渡す」
「はい、お願いします」
「地獄行きだ」
「え!ちょっと!なんでですか!?なにひとつ悪いことせずに生きてきたじゃないですか!なんで僕が地獄行きなんですか!?」
「地獄行きだ」
「理由を教えてください!」
「とにかく地獄行きだ」
「えー!ちょっと待ってください!覆らないんですかこれって!?天国に行ける確率ってないんですかもう?」
「地獄行きだ」
「天国に行ける確率はもうないんですか!?天国に行ける確率があるかどうかだけ教えてください!天国に行ける確率」
「可能性だ」
「…え?」
「可能性だ、確率じゃなくて、可能性だ」
「どっちでもいいじゃないですか」
「お前は産まれ落ちてから死ぬまでずーっと可能性と言うところを確率と言ってきたな」
「え」
「地獄行きだ」
「理由それですか?」
「それだ」
「それだけですか?」
「それだけだ」
「じゃあ天国じゃないですか」
「地獄だ!次!次のお前は、天国だ!」
「ちょっと待ってください!こいつ置き石YouTuberじゃないですか!」
「置き石YouTuberだ」
「なんで置き石YouTuberが天国で僕が地獄なんですか」
「可能性を確率と言う愚か者は地獄行きだ」
「ちょっと変えてくださいこの人!不信任です!閻魔不信任です!どこに言えばいいんですかこれ!」
「どこにも言っても無駄だ、灼熱地獄で喚き叫ぶがいい」
「なんで可能性を確率って言っただけで灼熱地獄で泣き叫ばなあかんのですか!」
「針山地獄で呻きこそばるがよい」
「うめきこそばるってなんですか聞いたことないですよ!」
「無い言葉だ」
「その無い言葉を言うのも地獄行きでしょじゃあ!」
「無い言葉の正義は無い言葉の発言者にあるのだ」
「ちょっと変えてくれこのオッサンマジで!」
「あくまで有る言葉の言い間違いが基準だ」
「有る言葉の言い間違いなんですね?」
「有る言葉の言い間違いだ」
「審判ですよ?」
「ん」
「判決じゃなくて審判ですよ?」
「…」
「最初に言ってましたけど」
「いや、判決で合ってるだろ」
「ちょっと待ってくださいね」
はん‐けつ【判決】 の解説
[名](スル)
1 是非善悪などを判断して決めること。
しん‐ぱん【審判】 の解説
[名](スル)《「しんばん」とも》
1 物事の是非・適否・優劣などを判定すること。「国民の—を受ける」
2 ある事件を審理し、その正否の判断・裁決をすること。
(『goo辞書』より)
「これ別にどっちでもいいだろ」
「まぁ、…そうっぽいですね」
「置き石地獄で配信しまくるがよい」
「はい」