語彙力をゴミに出した話
本を読んだり、文章を書いたりするのが好きだった。
学生時代は暇を見つけては図書館で過ごし、
漢字テストは毎回ほぼ満点、国語の成績はいつも「5」だった。
作文が何かのコンクールに入選したこともあったっけ。ひたすらに詩を書いていた時期もあった。
いつか書こうと思っているけれど、幼少期に所属していた宗教の活動の関係でもかなり国語力が鍛えられた。
就職してからは、社外にも配る新聞づくりを任されていた。語彙力は、人並みにあったほうだと思う。
結婚のために退職して2度の妊娠、出産を経た今、それらは見事にどこかへ行ってしまった。お空の星になった、という比喩があるけれどそんなきれいなもんじゃない。砂粒になってさらさらとこぼれて落ちた感じ。そのあと掃除機に吸い込まれてゴミに出されたんです。いや、出したんです、私が。この手で。
二人の子どもたちの世話に追われ、本を読む余裕などもなく、周囲に親戚や友人もいない私のアウトプットといえばツイッターで短い文章をぽつぽつとつぶやくだけ。
思えば私が語彙力を失うことになった主な要因がツイッターだ。だいたいこいつのせい。
字数制限があるから必要最小限の表現方法を選び、レスポンスは「それな」「これな」「わかりみ」。時事問題や育児の話題などでちょっとまとまった文章を書きたいときも、どこかの誰かからツッコミを入れられにくい、炎上しづらいような遠回りな表現を選んで投稿するようになった。
思考の整理をしたくてせっかく長い文章を分けて書いたとしても、ツイッターの性質上、自分の書いたものを振り返るにはあまり適さない。
いつしか自分の言葉で語ることをしなくなり、リツイートで他人の言葉を借りるばかり。私はもうちょっと自分の言葉で表現したい。映画やドラマの感想、最近あったことに関しても「おもしろかった」「娘がかわいかった」だけではなく、もう一段階深く潜ってことばを探して書き表したい。
上の子が幼稚園に入園し、怒涛の日々もほんの少しだけ余裕がでてきたので、ブログをはじめようかとも思ったけれど、あまりにブランクが長すぎて、テーマすら決められない始末。ライターの仕事なんてのも魅力的かなと思ったけれど、2000字と言われてもどんな分量なのかイメージできない。
おまけに、ワードのアップデートにもついていけてないインターネット老人会世代。
こんな状態では人の役に立つような文章を書けるなんて到底思えないので、とりあえずここで殴り書きの練習をしている次第であります。
ゴミには出したけど、燃えるゴミじゃなくてリサイクルごみだったと信じたい。いや、掃除機で吸ったなら燃えるゴミか。