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不確実性の荒波のなかにいる僕らは、中小企業の経営者として何に投資するべきか
不確実性の時代がやってきた
先日の事件から少し時間が経ち、選挙も終わったのだけど、何かしら落ち着かない時間が過ぎている。感染症の蔓延に、戦争、そして今回の事件にと「まさか」の連続の時間が過ぎているようにも感じる。こんなことを予想できただろうか、と言われれば、そんな人はいないだろうと思う。そんな、未来が見通せない状態、不確実性が溢れる時代のことをVUCAの時代と言ったりもするそうだ。
VUCAとは、Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityの頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のことを意味する。
VUCAの時代の中小企業
VUCAの時代には中小企業は「拡大」から「生き残り」にKGI(経営目標)の設定が変わってくると思う。明日何があるかわからないので、「中長期計画の策定」「選択と集中」「統制型マネージメント」といった、今までの中小企業経営の最善手が、悪手になる。予想できない時代に中長期計画は役に立たないし、リソースを集中させると突然そのビジネスが失敗して会社が潰れるリスクは増えるし、統制型/軍隊型のマネジメントを行うと突然の環境変化に対応出来ずに部隊が右往左往して全滅というのもあるだろう。
となると「中期計画より4半期ごと評価と方向転換」「バランス良い事業分散」「効率には目をつぶり、多様性と分散型マネジメント」と今までの真逆が最善手になるパラダイムシフトが中小企業経営で起こってきているように感じる。1サービスで突き抜けるのはスタートアップに任せて、中小企業は少し違うアプローチでのビジネスの育て方を志向するようになると思っている。
人と組織に投資することはトレンドになっている
前にヒトモノカネの話を書いたけれども、そんなVUCAの時代に中小企業は一体何に賭けて経営することがいいのだろうか。今のところ、世の中的には「ヒトに投資しよう」、ということになってるが、掛け声はかかっていても実際にはどこまで中小企業で動けるのだろうか。
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現実的にも上記のデータが示すように日本企業はなかなかヒトへの投資はできてない。今、実際に自分の会社で初めてみてわかるのだが、組織にとって人事制度の変化や仕事の仕組みの変化は大きなストレスになっている。社長だけでなく番頭さんレベルがしっかり理解していてくれないと物事は進まないし、会社の中の反発も出てくるだろうし、現実的に進まないという状況も理解できたりする。
結局は経営者の自分自身が一番信用できるものに投資するしかない
当初この記事を書き始めた時には、「VUCAの時代だからヒトに投資しようぜ!」と書こうと思っていたが、そこから1週間、その結論に疑問が湧き、続きが書けなくなってしまった。1週間考えた結果、「何があるかがわからないのなら、経営者自身が一番信じれるものに投資をしよう」ということで良いのではないかということになった。
うちの会社はヒトに投資をする。それは前の記事のようにヒトの持つ価値がツールで乗数的に増え、個人の持つネットワークがビジネスの成功に重要になってきているからだ。他の会社はとにかくキャッシュを厚く持って財テクに奔走する経営者もいるだろうし、もうオフショアで外注しまくってサービスを充実させるという方向もありだと思う。
VUCAの時代は何も予想できない、それなら、自分がこうだと思う道を中小企業の経営者はとにかく走る。間違ってたら即方向転換する。ただ中途半端な投資はしない、そんなことを思いながら今日も経営していこうと思う。