インフレが突きつける、あなたの会社のサービス「価値」への宿題
いま、地方中小企業の経営の1番の課題は「インフレにどう対応するか」だ。
インフレになるとどうなるか?
まず、今までと変えずに同じやり方をしていたら、仕入や販売管理費は高くなるので利益が減る。また、追い討ちで日本人若年層の人材不足も追ってきているので、人件費も今までとおなじ額だと採用できないので人件費も上がっていく。
コストが高くなると言うことは、利益を確保するためには値上げかコストカットをしないといけない。ただコストカットは今まで数十年のデフレ期で割とやり尽くしているので、あんまり出てこない。また前述の理由で人件費もなかなか削れない。
2個のドアが経営者には用意されている。
1つめのドアは、「値上げをする」、2つめのドアは「見て見ぬ振りして何もしない」。
1つめのドアを選び、経営者が決意した値上げは、往々にして現場には理解されない。
「お客が離れたらどうする?」「競合他社の動きを待ったらどうか?」「別の部署が無駄な経費の使い方をしてるからまずコストカットが先だ」みたいな意見は出てくるだろう。
だが、経営者はそれら無視して、やり切らないといけない。利益が減ったり、赤字になるのが分かりきってるのに何もしないのは経営者失格だからだ。
また値付け(プライシング)の肝は、顧客が払ってもいい最大値と、会社が欲しい値段の最小値の重なりに価格設定を行うことだ。
値上げの良いところは、自社の事業の価値に向かい合わないといけなくなること。はたして、顧客はこの価格に見合う価値を自社に感じているのだろうか、その問いに答えないといけなくなる。
その価値が伝わってなさそうなら、伝える。
その価値がなさそうなら、価値を上げる。
その価値が過剰なら、サービスの質を戦略的に下げる。
経営者は、自社サービスの価値と向きあい、そのバランシングが必要になる。
このインフレは、30年間のデフレを経て、初めて経営者に突きつけられた自社サービスの価値と価格の見直しを行うと言う、大きな宿題になっている。
2個めの何もしないと言うドアは甘い誘惑でいつもジリ貧の経営へ招き寄せる。
ただ、価値に向き合うプロセスは、これからのに大きく影響を与える経営者冥利に尽きる仕事になる。楽しまなければ損だと思う。ChangeはChanceなのだ。
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