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創業110年の会社が、役員会議のやり方をAmazon方式に変えて、役員のコミュニケーションが劇的に柔らかくなった話。
うちの会社は古い会社なんだけど、いま第4創業プロジェクトと言って、ミッション、ビジョン、バリューの再策定、社内広報、評価制度の改定、本社移転、企業のサービスブランドの変更、就業規則の全面改定、生産性を上げるためのツールの導入(office365、Remotty、ジョブカン、スマートHR、LINE WORKS)、HR techのサーベイの導入などを4月から一気に進めているところだ。
CHROの亮ちゃんが一番大変なんだけどプロセスを楽しんでくれてるようでもあり、良かった。
次の大きなイベントはミッション、ビジョンの発表会が9月中旬にあり、先日、招待状を全社員に発送したところだった。色んな発表をその際に行うので社員は楽しみにしておいてほしい。
そんな中、先週金曜に役員会議をしていて、空気感が変わったなー、と嬉しくなった。というのも去年の今頃は色々あって、社内はめちゃくちゃ荒れてて(特に役員同士がバチバチ)、心理的安全性は最低の状態だったと思う。その後、組織コンサルのmusuhiにも入ってもらい、関係性の再構築から始まり、今、役員の関係性はとてもいい状態になってると思う。
その中で導入してよかったなというのは、会議方法のAmazon方式への変更だった。
それまでの会議方法は、御前会議みたいな感じで、各部長が対予算の結果を読み上げ、達成していないと上に叱責され、「ご指摘ありがとうございます、頑張ります」と決まって返答するというもの。それが月2回、毎回2時間ほどあるのだが「なんだこれ、問題解決に繋がってないし、意味あるのか」と思いつつ、昔からの方法だったので、惰性としてやっていた。良い機会なので4月から大きく変えることにした。
月2回の会議あるのだが、月の2週目にある前半と月の4週目にある後半でやり方と参加者を分けることにした。
会議スタイルの変更① 前半は部署ごとに対話に時間をたっぷりかけて
今までは5事業部で2時間だった会議を前半は各事業部ごとに60-90分かけて行うことにした。90分x5なので正直自分が大変なんだが、じっくり時間を取るのはよかった。この事業部ごとの前半の会議では事前に用意してもらったKPIリストを共有、課題の洗い出しと対応策を対話を通じて作るという形にした。最初に10-15分ほど黙読の時間を作り、情報共有の時間は最大効率、最速でやって、可能な限り対話のための時間を作るようにしている。
会議スタイルの変更② 後半会議は役員だけでword1枚報告書で部署を跨いだ問題解決の場に
後半の会議は、役員が集まって先月の月次決算の数字をベースに各部署ごとにword 1枚で以下のフォーマットで文章ベースの報告書を書いてもらうことにした。
第◯期 ◯月 ◯◯事業部 報告書
・まとめ
※1ヶ月のまとめを簡潔に三行以内でまとめてください。
・今期計画の概要
※今期(上半期、下半期通して)で達成したい内容を三行以内でまとめてください。
・進捗状況
※今期計画に対する達成状況を簡潔に記してください。
・前回の報告からの変更、変化
※特記事項(良い点、悪い点)を簡潔に説明してください。
・リスクの概要
※特記事項の中でも悪い点の詳細を簡潔に説明してください。
・対応するアクションの概要
※上記悪い点への対応方法を5W1H (いつ、どこで、誰が、何を、どうやって対応するか)が明確になるように記載してください。
こんな感じでword1枚で事前に書いてもらいTeamsに共有、その上で部署を超えて行う対応に関して話すことにしている。
変更③社長からのコミュニケーションの質を変える
自分としては会議中のコミュニケーションを叱責ではなく、「仲間なんだから、あなたの課題を一緒に解決していきたいと思ってますよ」という場にするように意識的にしている。個別に指導する必要もある際があれば、それはこの会議ではなく別途1対1で行う形にする。今の方式が都合の悪い情報も上がりやすくなってきたように思う。
最初は慣れなかったのだけど、皆も3ヶ月ほどで少しづつ慣れてきたように思える。まだ思考錯誤中なので、今後もブラッシュアップしていきたい。
各事業部の役員が仲良く、部長会議が心理的安全性のある場になっている、というのは事業がうまくいく大事な条件だと思うので、まずは会議から変えるというのはおススメしている。