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「海外か日本か」で考えるのは、もう終わりにしようと思う。

海外で国際協力に携わっていた人たちが日本に戻り、国内の社会問題に取り組み始める。


実は今、僕の周りでこんな現象が増えている。



国際協力に関わっていると「なぜ日本ではなく海外なのか?」という問いによくぶつかる。先日も、とあるご年配の方から「アフリカより日本の問題に取り組め」と言われた話を紹介した。


特に国際協力に興味を持ち始めた学生だと、「なぜ日本ではなく海外なのか?」という質問の答えに窮してしまい、国際協力をやる意義を見失ってしまう人もいる。


でも僕は、最近になってこう考えるようになった。「『海外か日本か』ではなく、『海外も日本も』やればいいんじゃないか」と。


例えば2011年に東日本大震災が起きた時、これまで海外の紛争地域や自然災害が発生した地域で緊急支援に携わっていた国際協力NGOが活躍した。


また、海外で子どもの貧困問題や教育格差に取り組むNGOが、7人に1人といわれる日本の相対的貧困を解決するため、培ってきた支援のノウハウを活かせる場面もきっとあるだろう。


残念ながら今の日本は、『課題先進国』といわれることもある。何なら日本は『先進国』ではなく、後退するしか道が残されていない『後進国』と表現する人もいるくらいだ。


国際協力をやっている人間が海外にしか目を向けていないと思ったら、それは大間違いだ。外の世界を見てきたからこそ、日本の悪い部分にも目が行きやすくなる。



正直に告白すると、国際協力を始めたばかりの頃、僕は発展途上国の問題ばかりに目を向けていた。


「アフリカで起きている難民や貧困の問題に比べたら、日本の社会問題なんてまだマシだろう」


心のどこかで、そう考えていたのかもしれない。


でも、海外に目を向ければ向けるほど、同時に日本の『ヤバさ』にも気づくようになってきた。


もちろん一人の人間がすべての社会問題に取り組むことは難しい。


だとしても、例えば僕の場合はうつ病になった経験を発信し、日本が抱えるメンタルヘルスの問題解決に貢献することはできる。

同じソーシャル界隈の人間として、国内の課題解決に取り組むNPO職員と情報共有することもできる。



現代の社会問題は複雑化し、多様化し、実はアフリカの問題と日本の問題に共通の解決策を見出すことができたり、互いに影響を及ぼし合っていたりもする。


だからこそ、批判するのではなく、提言を


今より良い社会を作るにはどうすればいいのか常に見据え、『競争』するのではなく、『共創』する生き方をしていきたい。



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原貫太 / フリーランス国際協力師
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