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どれだけ海外支援を頑張ったところで、結局は『対症療法』に過ぎないんだ。

「本当に変わるべきなのは途上国ではなく、先進国だよ。」


まだ僕が大学生の頃だ。現地の問題を一つでも解決してやろう。そうやって意気揚々とウガンダの活動地に乗り込んだ初日、ある実業家の方からこの言葉を伝えられた。


国際協力をやりたい。途上国支援をやりたい。そう考えている人には、この言葉の意味を深く、深く考えてみてほしい。



お金と時間さえあれば誰でも海外に行けるようになった今、日本人が「途上国の問題解決に取り組みたい」と考えるのも不思議ではなくなった。


「途上国の貧困を解決したい」
「途上国の発展に貢献したい」


そんな夢を持っている人が、今この記事を読んでいるかもしれない。



でも、あなたが本当に世界を良くしたいと思っているなら、絶対に忘れてはいけないことがある。


問題を根本的に解決したいなら、本当に変わるべきなのは途上国ではない。僕たちがいま生きている、先進国のほうなんだ。



途上国が抱える問題は、一見すると無関係に思える僕たちの生活が、実は大きく影響している。


例えばアフリカのコンゴや南スーダンで起きている紛争は、レアメタルや石油といった資源が一つの原因になっている。


そういった資源を主に使っているのは、僕たち先進国の人間だ。



僕は大学生の頃、自分で立ち上げたNGOの活動として、南スーダン難民への人道支援を行った。衣食住すら満たすことができず、苦しい生活を強いられている人たちに食糧や衛生用品を届けた。


50万円以上の資金を使った。自分の渡航費なども含めたら、もっと大きな金額になる。準備にかかった費用など、すべてを合計したら100万円以上はかかっていただろう。

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でも、結局自分たちの力で支援することができたのは、400人ちょっとだった。南スーダン難民の数は当時だけでも100万人以上いたはずだ。


こんな支援活動をやったところで、本当に意味があるのだろうか。結局、「焼け石に水」なんじゃないだろうか。


そう、無力感に苦しめられた。



現場での支援活動に関わってきたからこそ、強く、強く思う。


本当に変わるべきなのは途上国の「彼ら」じゃない。先進国の「私たち」だ。


もっとたくさんの「私たち」が国際協力に目を向け、自分の生活を見直し、できることに取り組んでみる。


そういった『大きなうねり』を社会に作っていかない限りは、結局すべての支援活動はその場しのぎの対症療法で終わってしまう。



だから僕は、発信する。


時には誹謗中傷に晒される日もある。時には情報を届けられない無力感に苦しめられることもある。


それでも僕は、発信する。


僕の発信を見てくれた人が「私はこの世界の問題とどう関わっているんだろう」「私にできることは何だろう」そうやって考えてくれることを願って。


それこそが、今世界で起きている問題を根本的に解決することにつながる。


そう信じて、僕は発信する。これまでも、そしてこれからも。



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原貫太 / フリーランス国際協力師
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