打倒思考探偵
私は今日から、少し書き物をしようと思い立った22歳、大学生である。書き物といっても、日記から書評、自分が気ままに書いた掌小説なんかをあげてみようかなという程度である。これに思い立ったのは、私が数年前からよく言われる、悍しく、無責任な言葉を今日も言われたからである。それは、
「普段何考えてんの?」
である。私はこの手の質問をしてくる「思考探偵」が大嫌いである。まず第一に、私の考えを知ったとて何になるのか。どうせ、変なヤツ。だとか、面白いね。だとか、はたまた、すごいね。なんて言われちゃったりするのに違いない。すごいね。だけはなんとなく褒められた気がするので嬉しい。第二に、この言葉をかけられることによって、「普段考えている私」を強制的に演じさせられるのだ。いかんせん、私は普段から何も考えていない。よって、この手の質問に対して答えは持ち合わせていない。そこで適当な返事をしようと試みるのだが、相手から向けられる期待の眼差しを受け、無責任な発言は控えよう、といった私のステキな部分が顔を出すのだ。これでは埒が明かない。
そこで、私は自分が思ったことを適当に書いておくことで、この「思考探偵」たちに対する返答の用意をしようと考えた。ここで、思ったことと書いたのは、なんとなく考えていることとは違う気がするからだ。考えていることをうち明かすことなく、あの忌まわしい存在たちに対処できたらと思う。
私の反撃の狼煙がここにあがる。探偵たちを欺くために、いっちょ重い腰をあげて奮闘してやろうと意気込んでいるところだ。
だが実際には、こうしてものを書く場を見つけられて嬉しい自分もいる。拙い文章を書いてしまうが、読者がいるのならば、ご容赦願いたいところである。
charlantan
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