嘘と本当
映画「猿楽町で会いましょう」(監督/脚本: 児山隆)を観た。
話の内容は所謂、鬱恋愛映画。
売れないカメラマン小山田君と、女優志望のユカの恋愛を中心に、人間の複雑な関係性とかリアルを描いてる。内容は端折る。
石川瑠華さん演じるユカが作中で、自分にも他人にも嘘をついて生活していく中で、本当の自分がわからなくなっていく描写があった。
ラストのオーディションのシーンでユカは
「あなたはどのような人ですか?」と聞かれ
「皆からは明るいって言われます」と答えた後、言葉につまる。
そして「どのような人間なのかなんて知りたくないです」と言う。
作中でユカはひたすら嘘に塗れてて、小山田君目線で見たら本当にクソ女なんだけど、でもユカに共感してしまう自分もいる。
自分も嘘に塗れてるなあ。
現代ではSNSで、自分の良い一面だけ切り取って、自分を取り繕ってる。
俺はそんなダサいことしないと意識しようとしても、自分の嫌なところをSNSに投稿しようと思う人なんて絶対いないから、自然と自分に嘘をついてるんだ。
嘘をつくのは良いと思う。人間ってズルい、そんなもん。
それに良い嘘もあると思うし、自分に嘘をつくことで楽になることもある。
でも、"嘘をついてる自分"を自覚してはおきたい。
そうしないと本当の自分を見失うから。見つけられないから。
本当の自分は誰なのか、嘘に自覚しないと違った方向に進んでしまう気がする。
でも、嘘を自覚しない自分がいたとして、それもまた自分の選択だとしたら、それは本当の自分なのかもしれないね。堂々巡りだ、頭がパンクしそうだ。
本当と嘘はお互いに作用してるんだ。
どちらかがこの世から消えたら、存在意義がなくなる。
嘘がない世界だったら、わざわざ本当って言う必要ないし。
だから俺は、嘘を自覚する人になる。
そしたら本当も自覚できる気がするから。
あ最後に、石川瑠華さんめちゃくちゃ好きです。
おわり