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字源

教員不足が深刻化しています。週に2日だけ助けて欲しいと現役時代の仲間に依頼され、小学校に講師に入るようになりました。
3.5.6年の書写、1.2年の英語。1限から5限までびっしり。疲れるけれど貴重な子どもたちの学びの時間。充実させねばなりません。

「書写って、どういう意味かな」
「書き写す」
「その通り。でも何故それを学ばなきゃいけないんだろう」
「将来のため」
「将来、毛筆を使うつもりなの?」
沈黙

指導要領を噛み砕いて必要性を話しました。でも、それだけでは楽しくはなりません。
この学びは「書道」につながります。書道になると独特な形でも素晴らしい作品と言われるようになります。茶道、華道、剣道、柔道、弓道・・みんな日本で長く続いた文化ですね。
そんな話を加えました。

「今日の課題は『道』、部分の組み立てに気をつけて書くことがめあてです」
これは学習のめあてとする事を伝えただけです。多くの場合、あとは書く際のポイントを示して活動に入りがちです。

考えました。

「道って字は、どうやってこの形になったと思いますか?」
「首としんにょうが組み合わさってできた」
「その通りだね、素晴らしい」
「でも、どうしてその組み合わせになったのかな」
「実は象形文字の頃の形が始まりなんだよ」

そして「行」の大元、四角の絵を提示しました。そしてそれは道の場合、しんにょうがそれにあたることも説明しました。

「じゃあ、首は?」
「えーっ、なんでやろう」
「不気味」
「そう、その考え方」
「魔除けとか・・」

そこで敵や悪霊の侵入を防ぐため道の真ん中に首を置いたことが始まりであることを説明しました。
「だから、ちゃんと道の真ん中に首は置く必要があるね。しんにょうの上に乗るように、部分のつながりを考えて書いてください」
「では始めましょう」

効果はいかに?
集中して全員、個人差はありますが、めあては達成していました。

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