嬉しくて涙
2年前のお話です。私は、商売人と夫婦でいた時に背負ってしまった自分名義の借金を、離婚した上で自己破産手続き中でした。まだその時は、自分で立ち上げたお店の営業もしている傍らで、週3日の午前中にバイトもしていました。食事って家族のために作っていたものだったので、自分の為に等まともな食事を作るなんていう考えがありませんてんした。そして当然の事ながら栄養失調からくる低血圧により体が辛くて動かなくなりました。それでも、その時はこのままではマズいと、何とか病院へ駆け込み点滴を受けることが出来ました。そして、私が長年お世話になっている薬局の奥さんに、まずしっかり栄養のあるものを食べなさい。と。その後指導のお陰で私は回復へ向かいました。自分の目にとる食事の大切さも知りました。その栄養失調からくる低血圧の病院での治療の件を聞き付けた知り合いの方から、ある朝に連絡が来て「何時でもうちにご飯食べにおいで」と、心配して下さいました。その文章に返事を書き込みながら、何だか涙が止まらなくなりました。こんな私に優しくしてくれる人がいる、と。嬉しかったのだと思います。初めての大泣きでした。借金を抱えての営業を続けてきた25年ほどの期間。本当に辛かったのですが、不思議と涙は出なかったのです。そこで、いつも私の話を聞いてくれていたお友達に連絡しました。「今涙が止まらない」と。そのお友達が返してきた言葉は、とても短いたった一言。「泣け」その一言からさらに私は涙が溢れ出しました。泣いていいんだ。と思いました。多分、2時間ほどでしょうか。私は声を上げて泣き続けました。そのたった一言の中に感じた優しさは今も忘れません。私を救ってくれた一言でした。人は、辛すぎると麻痺してしまって涙も出ないことがあるようです。ほっと気が緩んだ時に、辛かったことや嬉しいこと、色んな感情が溢れ出し、涙が滝のように流れ出す…。そんな経験でした。今はというと、ドラマを見ては泣き、歌を聴いては泣き。辛い時にも涙。嬉しくても涙…。泣いて気持ちがスッキリしてまた笑顔に戻る。そんな毎日を送っています。
「泣け」
この一言に感じられた、とてつもなく深い優しさを私は一生忘れません。
忘れられません。
ありがとう。