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「年画」~春節の伝統的風物詩(其一)

春節(旧正月)、今年は2月10日、もうすぐです。

中国ではすでに春節の大移動が始まっています。

コロナ禍による厳しい規制が解除され、中国国内の帰省や観光のみならず、海外へも多くの中国人旅行客が訪れる見込みです。

飛行機の国際線では、日本路線が600便増便になったとのことです。


さて、伝統的な春節の風物詩の一つに「年画」があります。

おめでたい図柄の版画を部屋の壁や窓に貼って飾ります。

年画の起源は、漢代にまで遡ります。

初めは、門神の絵を描いて門の両側に貼ったので、「門画」と呼ばれていました。

中国最古の門神は、「神荼(しんじょ )」と「鬱塁(うつりつ)」です。
神話の中で、悪事を働いた亡者を縄で縛り上げ、虎に食わせると伝えられています。

神荼と鬱塁

年画は、吉祥健康繁栄を祈願するものです。

こちらは、「蓮年有餘」と書かれていて、赤ん坊が蓮の葉に乗って大きな魚を抱えている絵が描かれています。

蓮年有餘

中国人は吉祥の語呂合わせが大好きです。

「蓮年」は、もとは「連年」(何年も続くこと)ですが、発音が同じで清遠の象徴である「蓮」に引っ掛けています。「蓮華」は仏教の聖なる花でもあります。

また「有餘」は、余りがある、ゆとりがあるという意味の吉祥の言葉です。これも「餘」と発音が同じ「魚」に引っ掛けています。

こちらの「富貴有餘」も同様で、「餘」の字が入っているので、やはり魚が描かれています。

富貴有餘

」の字は年画の定番です。

この一枚では、左に魚、右にニワトリが描かれています。
魚は、上記と同じで吉祥です。ニワトリは、「鶏」と「吉」が同音なので、これも吉祥です。

こちらは、「福寿三多」という年画です。

福寿三多

仏手柑(ぶっしゅかん)は、仏が手を広げた形の柑橘系果物で、「仏」は「福」と同音、「手」は「寿」と同音です。

桃の実は仙果とされ、邪気を払い、また長寿の象徴でもあります。

ザクロは、多くの種があることから、子沢山、子孫繁栄を表します。


こちらは、「和合致祥、壹團和氣」というモチーフです。
家庭円満、和気藹々を祈願する年画です。

和合致祥、壹團和氣


こちらは「鎮宅神虎」というモチーフです。
猛虎は、家財を守り邪気を払うとされています。

鎮宅神虎


神々を描いた年画もよく見られます。

こちらは「文武財神」です。
上段は関羽、下段は趙公明、どちらも財神として崇められています。

文武財神

こちらは「天地全神」、天地の神々が勢揃いしています。

天地全神


雲南地方では、大年初一(旧暦正月元旦)に太陽神を祀ります。

太陽神


民間伝説、民間故事からのものもたくさんあります。

白蛇伝」(民間伝説)

白蛇伝

天仙送子」(民間故事)

天仙送子


老鼠取親」(民間故事「ねずみの嫁入り」)

老鼠取親

さらに、通俗小説から題材を取ったものも多く見られます。

桃園結義」(「三国志」)

桃園結義

三顧茅廬」(「三国志」)

三顧茅廬

怡紅院」(「紅楼夢」)

怡紅院

最後に、現代風の年画をいくつか集めてみました。


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宇宙飛行?

現代風のはいかにも現代風。
これって年画?というのもあります。

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