個社・業界研究のすすめかた
こちらの記事で、就任前後に何を学ぶかを考えていた時に、財務以外の会社の研究についての記載をしていなかったのであらためてまとめることにしました。
まずはTips
監査法人時代は利害関係の規程があって株を買えませんが、退職したら株式投資が自由にできるのはよいですね。
上場会社の役員に就任が決まりそうとなったら、まずはその会社の株を買う(持っていない場合)、というのが、個人的Tipsです。
1単元が大きい場合はちょっと大変ですが、自分自身も株主になることでいろいろ気づく点があるかもしれません。ヤフーの掲示板を見て一喜一憂してみるのも面白いと思います。
役員に就任してしまうと今度はインサイダーの規制がかかって買いにくくなりますので、規制がかからないうちに早めに、が良いのではと思います。
売るタイミングも選ぶためあくまで余剰資金の範囲で、となりますが、よろしければぜひ。
研究のためのアプローチ
監査の経験が長いと、会社を見るときのアプローチがどうしても「監査計画」っぽくなります。
日本公認会計士協会からも監査調書の体系については一般の方でも見れる資料が公開されておりますが、Ⅲ解説 の図の体系を参考に、ざっくり理解が進んでいきます。
企業及び企業環境の理解
不正リスク
会計上の見積もり項目
会社の内部統制
ITへの依存度
グループ企業の構成
などなど。
業務プロセスにおけるリスク把握のためにはサプライチェーンの理解も重要ですね。
過去の業績や決算書の内容、グループ企業についてなどは公表資料を読んで概要を理解していきます(読み込むのに時間はかかりますが)。
画像は改訂前の分ですがイメージご理解いただくために貼ってみました。
企業及び企業環境の理解というところが業界研究がいるところです。
業界の研究
初めての業界の場合、研究のアプローチは、就活の際の調査方法や、コンサルタントがどう研究するかが参考になるのではと思います。
私が書かなくてもこういうまとめ↓がいろいろ出てそうですが
こういうのを参考に業界のプレーヤーを把握したり
秀和システムさんの業界シリーズ本とか
会計に特化したところだと、業種別会計シリーズについて各大手法人が出しているのを読んでみるといったところです。
(全部一気に読めないので買っておいて積読とかあとでパラパラ見るパターンも結構あります・・・)
同業他社比較
同業他社比較を行う際に、個人だとなかなかSPPEDAとか使えないですが、最近は無料で使えるいいツールがいろいろでていてありがたいです。
バフェットコード
https://www.buffett-code.com/
シェアードリサーチ(カバーしていない会社も)
アナリストやリサーチ機関が発行しているレポートなど、他にもいろいろありそうです。
なお、自分の経験値によるデータベースも参考になります。
公表できませんが、会計監査を何年もやっていると、不正や粉飾決算、内部統制の不備、それらに近い事例に接することが何回かあります。
直接自らが接しなくても法人内の研修で事例を学びます。
こういうケース、こういう業界ではこういうことが起きる傾向がある、ということを経験しているのは強みです。
まとめ
いろいろ書いてきましたが、何週か回って結局コンサルの方のアプローチってすごいなと思うことが多く・・・結局読んでいるのはコンサル本だったりします。
こういうのとか↓
結局は内部統制とガバナンス
と、業界分析について記載してきましたが、結局事後的に何か問題が出てくるとなると「内部統制」「ガバナンス」からであることが多いように思います。個社事情によるところが多いそれらの理解も大変重要です。
これらの分野は重要だと散々いわれており、何かイベントが起きてからでは遅いので、未然に防止される体制があるかどうかが重要なのですが、なかなか、外から見ていても通り一辺倒のことしかわかりません。
会社内部の文書や現場を見たり、会議に出席したり、お話をあれこれ聞くことで理解を深めていく、ということになりますので、当然なんですが機能するためには会社との協力体制をいかに確保し情報を入手するかがポイントとなります。
オールドボーイズ的なアプローチだと、役員とゴルフに行ったり夜の接待飲み会で情報収集、となるのかもですが(?)、
私たちは別の道を行きましょう。
どのあたりにリスクがあるかについては今まで分析してきました。
ポイントは絞れたはず。
ということで、にっこり話しやすい女性役員をめざします!(違)
ここまで書いてきてコレか、といった結論になってしまいました・・・。書き直すか。
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