【随時更新】 2024年ダイヤ改正
ここでは、2024年3月16日に実施される、JRグループ旅客6社および一部第三セクター鉄道のダイヤ改正についてまとめます。
このページは随時更新してまいります。
北陸新幹線敦賀開業
やはり今回の目玉は、北陸新幹線敦賀開業です。2012年より工事が進められていた、北陸新幹線 金沢駅 - 敦賀駅間が開業します。
これに伴い、北陸本線 金沢駅 - 敦賀駅間は廃止となり、第三セクター会社に移管されます。また、特急「ダイナスター」「おはようエクスプレス」「おやすみエクスプレス」が廃止となるほか、「サンダーバード」「しらさぎ」の全列車が敦賀駅発着となります。
停車駅パターン・運行本数
停車駅パターンは上画像の通りです。基本的に、「かがやき」については対首都圏の速達需要、「はくたか」については「かがやき」の補完、「つるぎ」については対京阪神・中京需要を担うことになります。
敦賀駅での特急列車接続は「つるぎ」のみで行われ、「かがやき」「はくたか」については、敦賀駅での在来線特急との接続は行われません。これは、特に2月 - 3月に起きる関ケ原の雪や、湖西線にふく比良おろしによる在来線特急の遅れを、特に列車が過密な大宮駅 - 東京駅間まで波及させないためと思われます。
なお、「つるぎ」については、敦賀駅で在来線特急列車の接続を行う見込みで、在来線特急列車に遅れが発生した場合は遅発することも想定されているとみられます。
また、現在「つるぎ」は富山駅 - 金沢駅間を全列車が各駅停車で結んでいますが、敦賀開業以降は一部列車が通過運転を行います。これは、現在存在している速達の「サンダーバード」の停車駅を引き継いだものと考えることができます。
敦賀駅で在来線特急に接続する「つるぎ」は25往復運行されることになり、25往復全てが「サンダーバード」と接続、うち7往復が米原ゆき「しらさぎ」、うち8往復が名古屋ゆき「しらさぎ」接続することとなります。そのほか、早朝深夜の「しらさぎ」1往復については、敦賀駅 - 米原駅間ノンストップの臨時快速列車となります。
「ダイナスター」「おはようエクスプレス」「おやすみエクスプレス」を代替する「つるぎ」については、敦賀駅での在来線特急との接続は行われません。そのほか、富山駅 - 金沢駅間のみを走る「つるぎ」も運行されます。
新幹線 列車設備など
現在は「つるぎ」ではグランクラスは営業していませんが、改正後は「つるぎ」についてもグランクラスの営業を行います。「やまびこ」「あさま」「とき」「たにがわ」同様、飲料・軽食のサービスは行いません。また、「つるぎ」の指定席車両が増加します。
北陸本線金沢駅 - 敦賀駅間転換
北陸新幹線の並行在来線となる、北陸本線 金沢駅 - 敦賀駅間は第三セクターに転換されます。これにともない、金沢駅 - 敦賀駅間は在来線特急列車の運行はなくなります。
金沢駅 - 大聖寺駅間はIRいしかわ鉄道へ、大聖寺駅 - 敦賀駅間は新設されたハピラインふくいへ転換されます。
新駅「西松任駅」開業
加賀笠間駅 - 松任駅間に、あらたに西松任駅が開業します。
運行形態
普通列車のほか、朝夕に福井駅 - 敦賀駅間にて快速列車を運行します。停車駅は、始終着駅をのぞき3駅となります。また、富山駅 - 金沢駅間と同様、金沢駅 - 福井駅間ではIRいしかわ鉄道とハピラインふくいの相互直通運転が行われます。
また、IRいしかわ鉄道線・ハピラインふくい線ともに、全区間でワンマン運転が実施されます。
乗継割引廃止
指定駅で新幹線(一部寝台特急)と在来線特急列車を乗り継ぐと、在来線特急列車の特急料金が半額になる制度である乗継割引が、ついに廃止となります。
かつては東海道・山陽新幹線の東京駅と品川駅を除く全駅が対象でしたが、すでに岡山駅 - 博多駅間は廃止となっており、残る新横浜駅 - 相生駅間および北海道・東北・上越・北陸新幹線の一部駅でのみ使用できる制度でした。なお、寝台特急と在来線特急列車の乗継割引はすでに廃止されています。
ただし、北陸新幹線と在来線特急列車を敦賀駅で乗り継ぐ場合は、新設の従来のシステムとは異なった割引が適用されます。
根室本線一部区間廃止
根室本線 富良野駅 - 新得駅間が廃止となります。2016年の台風により被災した区間のうち、特に利用者が少ない区間です。
現在は富良野駅 - 東鹿越駅間のみが運行されており、東鹿越駅 - 新得駅間はバス代行輸送となっています。
これにより、根室本線は滝川駅 - 富良野駅間および滝川駅 - 根室駅間の路線となります。
北海道の無人駅5駅廃止
JR北海道の無人駅である、初野駅、恩根内駅、滝ノ上駅、中ノ沢駅が廃止されます。
すでに廃止の検討の対象となっていた駅で、自治体の同意を得られたため廃止が決まりました。
「エアポート」増発
新千歳空港と札幌・小樽などを結ぶ、「エアポート」が増発されます。現在は毎時5本の運行となっていますが、改正後は毎時6本となります。
また、停車駅パターンも再編されます。現在は原則すべてが快速で(一部特別快速あり)、毎時5本中2本が小樽発着、3本が札幌発着となっています。
改正後は、「エアポート」が一部の千歳線の普通列車を置き換えたため、毎時2本が区間快速となり、全区間で快速運転を行うのは毎時4本となります。うち2本が小樽発着で、小樽発着のうち1本が特別快速、残る3本が快速となります。
北海道の一部特急列車 全席指定席化
特急「北斗」「すずらん」「おおぞら」「とかち」が全席指定席となります。また、「カムイ」「ライラック」についても指定席が増え、「カムイ」は指定席が3両に、「ライラック」は指定席が4両になります。そのほかの特急列車については変更はありません。
また、現在「すずらん」は東室蘭駅 - 室蘭駅間を普通列車として運行していますが、改正後はこの区間も特急列車となります。ただし、東室蘭駅 - 室蘭駅間内の相互間を利用する場合に限り、乗車券のみで普通席の空席や普通車デッキを利用できるようになります。
そのほか、「おおぞら」「とかち」が走行する区間のうち、新夕張駅 - 滝川駅間は普通列車の運行がないため、新夕張駅 - 滝川駅間内の相互間を利用する場合に限り、乗車券のみで普通席の空席や普通車デッキを利用できるようになります。現在は普通車自由席の利用ができます。
Kitacaエリア 拡大
JR北海道のICカードである、Kitacaが利用できる範囲が拡大します。新たに、札幌エリアとして岩見沢駅 - 旭川駅間が利用可能となるほか、函館エリアとして函館駅 - 新函館北斗駅間も利用可能となります。
もちろんのことですが、今回拡大されるエリアでも、相互利用によってSuica、PASUMO、TOICA、manaca、ICOCA、PiTaPa、SUGOCA、はやかけん、nimocaも利用可能です(PiTaPaはプリペイドのみ)。
「つがる」1往復が「スーパーつがる」へ
秋田駅 - 青森駅間を結ぶ、特急「つがる」のうち、現在の「つがる」3号、「つがる」4号が、停車駅を削減し所要時間を短縮して、「スーパーつがる」1号・2号となります。
房総特急 再編
特急「さざなみ」「しおさい」「わかしお」「成田エクスプレス」の使用車両・運行本数・運行区間が再編されます。
使用車両
現在は「しおさい」が255系9両・E257系10両、「わかしお」が255系9両・E257系5両・E257系10両、「さざなみ」が255系9両・E257系5両での運行となっています。
改正にて255系の運行が終了し、現在「成田エクスプレス」でのみ使用されているE259系についても「しおさい」で使用されます。また、E257系は全列車で5両編成での運行となります。
そのため、改正後は「しおさい」がE259系6両・E257系5両、「わかしお」および「さざなみ」がE257系5両での運行となります。
上越新幹線一部列車運転取りやめ
深夜に運行される、一部の上越新幹線列車の運転が取りやめられます。十分な保守時間を確保するためです。
中央西線 315系統一・速達化
改正までに、中央西線 名古屋駅 - 中津川駅間の全列車が315系に統一されます。そのため、快速・普通列車についても特急「しなの」同様、最高時速が130kmへ引き上げられます。
JR西日本の一部特急 全席指定席化
特急「サンダーバード」「しらさぎ」「スーパーはくと」「スーパーいなば」「やくも」が全席指定席となります。「サンダーバード」「しらさぎ」については運行区間の短縮に合わせての変更となります。
すでに北近畿・南紀エリアの特急列車、通勤特急については全席指定席となっており、今回はそれに続く形となります。これにより、JR西日本で運行されている定期在来線特急列車のうち、自由席が引き続き連結されるのは、「能登かがり火」「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」「はるか」の4列車となります。
「スーパーはくと」再編
特急「スーパーはくと」の運行形態が再編されます。現在は臨時列車を除き、1日6または7往復での運行ですが、改正後は1日8往復となります。また、姫路駅での山陽新幹線との接続が改善されます。
運行区間も変更され、8往復中5往復については大阪駅発着となります。
「びわこエクスプレス」が「らくラクびわこ」へ
通勤特急「びわこエクスプレス」の列車名が、「らくラクびわこ」へ変更されます。また、運行時刻が一部変更されます。
使用車両・運行本数・運行区間の変更はないものとみられます。
通勤特急「らくラクはりま」運行区間延長
現在平日朝夕に新大阪駅 - 姫路駅間で運行されている、通勤特急「らくラクはりま」の運行区間が延長され、京都駅 - 網干駅間となります。
改正後の停車駅は、京都、新大阪、大阪、三ノ宮、神戸、明石、西明石、大久保、加古川、姫路、英賀保、はりま勝原、網干となります。姫路駅 - 網干駅間は各駅停車です。
また、姫路方面列車の運行時刻も変更されます。現在は大阪駅を19:07に出発するダイヤとなっていますが、改正後は19:35と、およそ30分遅くなります。なお、大阪駅19:07発のダイヤは、改正後は特急「スーパーはくと」13号で引き続き使用されます。
大和路線の通勤特急「らくラクやまと」新設
奈良駅 - 新大阪駅間を結ぶ、通勤特急「らくラクやまと」が新設されます。
「まほろば」とは異なり平日のみ運行となり、おおさか東線は経由しません。
途中停車駅は、奈良駅 - 王寺駅間各駅、久宝寺、天王寺、大阪(うめきた地下ホーム」です。天王寺駅までの停車駅は大和路快速と同様ですが、大阪環状線内はノンストップ運行となります。途中経由路線は、大和路線・大阪環状線・梅田貨物線です。
使用車両は、「まほろば」同様、287系3両編成とみられます。
「快速 うれシート」拡大
「らくラクやまと」新設とあわせて、「うれシート」も拡大となります。
現在は、区間快速が2本、おおさか東線を経由する直通快速が2本でいずれも大阪方面の運行となっています。改正で直通快速2本と区間快速1本が新設となり、区間快速が3本、直通快速が4本の運行となります。
また、現在は「うれシート」は全列車が平日のみの運行ですが、改正後は全列車が土日祝も含め毎日運行されます。
その他列車・車両関連
詳しくは、近日公開の記事をご覧ください。
E8系営業運行開始
255系運行終了
737系運行区間拡大
JR北海道のキハ40・54・150の運行区間縮小
HB-E300系「SATONO」営業運行開始
273系営業運行開始(4月6日)
特急「かんぱち・いちろく」運行開始
参考資料一覧・クレジット
https://www.hapi-line.co.jp/guide/faq/ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230922_00_press_hokurikushinkansennotokkyuu_1.pdf https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20231115_KO_airport.pdf https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230922_00_press_noritsugi.pdf
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042960.pdf
https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230922_ho01.pdf
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20231115_KO_reservedseat.pdf
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230830_00_press_hokurikushinkansen.pdf
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/951873/
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20231213_KO_kitaca_area.pdf
https://www.jreast.co.jp/press/2023/timetable/
https://www.westjr.co.jp/press/article/2023/12/page_24058.html
ヘッダー画像 : 写真AC
その他の画像 : 筆者保有画像
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