関西学生映画祭・映画チア部 特別対談@元町映画館
神戸の元町映画館にて「関西学生映画祭」と「映画チア部」による特別対談を行いました!
【参加者紹介】
パニアグア・カルロス(写真:右)
第10回関西学生映画祭 実行委員長。
関西大学3回生。関西大学映画研究部部長。
五味健太郎(写真:左)
映画チア部神戸本部代表。
神戸大学3回生。
岩倉周平(撮影者)
第10回関西学生映画祭 実行委員。
立命館大学2回生。立命館大学映画部所属。
【おすすめの映画は?】
岩倉
「大林宣彦監督による1977年公開のホラーコメディ映画『HOUSE』が好きです!
大林監督も元々は自主制作映画から有名になられた方なので、私たちの周りからもそういった監督が出てくるのではないか、という期待もありますね!」
五味
「最近で言うと、『トリコロール3部作』で知られるクシシュトフ・キェシロフスキ監督の『デカローグ』が関西圏で上映される機会があり、10からなる作品群のうちの1と2を鑑賞しました。
秋口には神戸でも上映が始まるとのことで非常に楽しみにしています!」
カルロス
「どんな映画なんですか?」
五味
「10編のオムニバス形式なのですが、それぞれにテーマが決まっていて、
1だったら『運命』や他にも『クリスマス・イブ』といった形で構成されているのですが、それを踏まえた上で作品を鑑賞するのが非常に楽しいですね!
3から10までも楽しみです!」
カルロス
「そういえば、せっかく元町映画館まで来ているので、おすすめのインディーズ映画ってお伺いしてもよろしいでしょうか?」
五味
「直井卓俊さんが主催のインディーズ映画の祭典『MOOSIC LAB』の出品作品は面白いです。
映画チア部もMOOSIC LABに関わっていて、その繋がりで色々見させていただいたのですが、特に今年は副島正紀監督の『絶滅動物(VACATION)』が非常に面白かったです!」
カルロス
「僕自身、あまりインディーズ映画を観る機会がなかったので、これを機会に色々と観てみたいと思います!
ただ個人的にはインディーズとインディーズじゃないの基準があやふやな印象を受けますね…。」
岩倉
「それこそ元町映画館といったミニシアターでしか味わえない経験とか、この映画館だからこそこの作品と出会えたといった経験なんじゃないかなと感じますね!」
五味
「僕は映画チア部に入って元町映画館に来るうちにインディーズ映画が好きになりました。
初めて観たインディーズ映画は台湾のホアン・シー監督の『台北暮色』という映画で、最初はマニアックな作品だなと思っていたのですが、職員さんの話を聞いて徐々にハマっていったという経験がありますね。」
岩倉
「インディーズ映画の魅力って何だと思います?」
五味
「製作者や出演者との距離が近いというのが最大の魅力ですね…!
舞台挨拶をより身近で見れる機会が多く、作っている現場とかの雰囲気まで全体的に楽しめるという一体感が印象的です。」
岩倉
「カルロスさんも映画を作られていると思うのですが、その製作経験は映画を観る時にも活かされているんですか?
僕自身は観ることと撮ることは離れているようで近いと思っています。」
カルロス
「離れていると思います。
特に映画制作は非常に大変です。僕一人で頑張ってもまず作れず、多くの人との協働があってようやく制作することが出来るコンテンツであると感じます。」
五味
「僕自身が映画を作った経験がなく、映画チア部でいろいろな人にインタビューする際に、『このカットが凄い~』とか『このシーンが凄い~』とかがイマイチ理解できる部分が少なく、そこを分かるためにもより深い視座が獲得したいですね!」
【コロナを経て映画はどうなる?】
カルロス「去年の話ですが、僕が所属する関西大学映画研究部はコロナの影響もあって全く活動できませんでしたね…。学生映画としては空白の1年間になってしまった、というのが実情です。」
五味
「僕の個人的な感想ですが、コロナ禍を経て配信系の映画が物凄く増えたような印象を受けます。
流す場所がそもそもやってなくて配信で上映する~といったことが増えたんじゃないかなと思います。」
岩倉
「未だに京阪神地区も蔓延防止法の延長などで開いてない映画館もざらにありますしね…。」
カルロス
「各種映画会社もストリーミング配信に力を入れて、劇場公開を見送るといったケースも増えていますね。
個人的には今後の映画業界が心配ですね…。」
五味
「配信でいくらでも観ることができる世の中になったので、ちゃんと届けられる人に届けていくことが重要視されてくと感じますね。
コンテンツが飽和している分、それが非常に難しくなっていくんじゃないかなと感じます。」
カルロス
「僕らは逆に映画を観てもらう場が減ったと感じます。
今までは大学の新入生歓迎会などで制作した映画を流していたのですが、コロナ禍でそういった行事が全て中止となり、作品をYouTubeなどのオンライン媒体にあげる機会が増えたのですが、見てもらえる機会は少なく…。
非常に観られにくくなったなと感じるのは正直なところです。」
岩倉
「そんなコロナ禍においても、映画チア部や関西学生映画祭は活動を続けています。
イベントをなぜ対面でやるのかの理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
五味
「オンラインイベントは大変ですので、可能であれば対面でやりたいというのが本音ですね…!
今夏にも無声映画の上映イベントの開催を検討しており、そこに向けて頑張っています。」
カルロス
「関西学生映画祭もオンラインを検討したのですが、やはり対面でしか味わえない体験もあると思い、実地での開催を検討しています。
映画を観るだけでなく、その先にある交流体験を創出していきたいです!」
岩倉
「コロナ禍において交流の場は非常に貴重ですしね…!
コロナ禍を経てリモートが発展しましたが、それによって何らかの利点ってありましたか?」
五味
「イベントをやる際に監督が呼びやすくなったというのが挙げられます。
オンラインイベントだと東京にいらっしゃる有名監督でも招聘することが簡単になり、距離の問題が解消されたと感じますね。」
カルロス
「関西大学映画研究部は今まではかなり閉鎖的な部活だったのですが、コロナの影響によるオンラインの台頭で他大学のサークルと交流する機会が増えました。
特に関西圏の映画サークルの連合組織である『ぼくらとえいが』といった組織に参加し、そこで岩倉さんと知り合うなど新しい交流が生まれたと感じます!」
五味
「あまり関西にいない人とでも話せるようになったのは大きいですね!」
【今後の告知について】
五味
「映画チア部は夏休みの8月13日(金)にパルシネマにて無声映画の上映イベントを行います!
このイベントでは活動弁士の方とピアノの方を読んで、実際にその場で演奏してもらいます。
ちょうど13日の金曜日なので、涼みに来てほしいです…!!
また8月26日(土)にインディーズ映画2本を神戸アートビレッジセンターで上映予定です!
その2本の監督の方もいらっしゃいますし、今泉力哉監督の『街の上で』でプロデューサーを務めた髭野純さんをゲストとしてお招きします!
こちらも是非、来ていただけると嬉しいです!」
カルロス
「関西学生映画祭についてですが、11月27日・28日に十三シアターセブンで実施予定です!
今年で10周年を迎え、例年とは異なり『関西シネック賞』と『審査員特別賞』を新設しております!
作品や実行委員も随時募集中です!
是非、作品の提出等々で宜しくお願いいたします!」
【関連リンク】
対談動画:https://www.youtube.com/watch?v=FirTsq2-PCo
関西学生映画祭Twitter:https://twitter.com/moviefes21
映画チア部Twitter:https://twitter.com/moviecheer_kobe
(文責:関西学生映画祭 副実行委員長 熊谷宏彰)
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