見出し画像

観劇log:ムナポケ26th公演『紙』

#ムナポケ   #紙 #観劇log

ムナポケ 26th公演「紙」 


11/16 プレ公演、11/17 千穐楽公演を観劇しました。

今年の夏頃に行われたワークショップに参加。

ムナポケさんはこのようなワークショップを開催しながら公演の台本を実際に触れていくということを毎回やっているようですね。

昔からなのだろうか?

他劇団主催のワークショップ・練習に参加するのは初めてだったので終始ドキドキが止まらなかった。

(ワークショップに参加した時の様子はムナポケ公式さんの過去投稿参照)

 

------------------------

そしてキャストが発表された。

大好きな役者さんである演劇ユニットHORIZON の草野さんが出演されると知り、まず衝撃を受ける。

でもよく考えたら過去公演に脚本で参加されていたのでこのキャスト出演も不思議ではないのであろう。

今回の公演もダブルキャスト。

ダブルキャストあるあるだが、各バージョンの演出や演技が違う場合が多いので、可能な限り両バージョンを見たい。

(その日の都合・お財布状況によっては泣く泣く片方だけの選択になる)

ワークショップ・公開稽古で作品が出来上がっていく過程を見てきた私としては両バージョン見ることに迷いはなかった。

 

----------------------------

※基本的な内容は撮影とラスト演出以外は同じ。

 

11/16(土) プレ公演。このプレ公演では上演中撮影OK。

(なかなか舞台本番中に客席から撮影できるのは貴重なので、皆さんも機会あれば撮影OKな時に参加してもらいたい。)

席を良いところを取りたかったので、会場に気持ち早めに到着。

会場ロビーでは、本作品の重要アイテム「紙飛行機」の作成がレクチャーされていたので私もその場に参加。

レクチャーしてくださったSさんありがとうございました!

なるほど、専用の紙に折り方の順番と山折り線・谷折り線が印字されていた。

このとおりに折ると飛びやすくなると。何度も試したのだろうか?それともインターネットからの情報?

重要アイテムだからこそ、しっかり飛んでもらいたい。そう思いレクチャーのとおり紙飛行機を折った。

 

 

----------------------------

 

開場時間。

差し入れのお菓子を受付で渡し、電子チケット読取処理。

会場内にて各劇団の公演チラシが折りこまれた本公演のパンフとアンケートを受け取り、いざ座席へ。

映画館では最後列の隅っこで観るのが好きな私だが、舞台はやはりセンターで観たい。

どの席も色んな見え方がするから良い悪いがある・・・というわけじゃないが。

プレ公演では、最前列のセンターに着席。

舞台エリアには、脚本・演出の永井さんと役者のふゆみさんが準備などをされていたのでひと声かけて挨拶。

X(旧Twitter)のポストにも書いたが、舞台の至る所に紙・紙・紙・・・の山。

ありとあらゆる紙(製品)がそこにはあった。

どこから集めたのだろうと思うくらいに。
 

右奥にいるのが脚本・演出の永井さん

ワークショップ・公開稽古で断片的に見たシーンを思い出しながら、開演時間を待つ。

開演直前。

永井さんが公演前の説明を行なう。


さきほどの永井さん

この説明が長くなってしまうようなことをおっしゃっていたが、むしろこの説明がムナポケのように思っているので、

なかったらなかったで違和感を感じてしまうのは私だけだろうか?

 

開演時間。(※セリフについては朧気な記憶です。すみません)

白い衣装を着た3人が客席の入り口から静かに登場し、舞台エリアにあがる。

(このように舞台袖からではなく客席から…のような演出が私は好きだ)
静かにそして淡々と12(00)が語り始める。

静岡市を拠点で活動する演劇ユニットHORIZON の草野さん


観客の私たちにも問いかける。

この人物は一体誰なのか。

しかし、すぐにその疑問は頭の隅に追いやられてしまう。

1と2の突然の口論のようで口論じゃない何かちぐはぐした会話が始まった。


左が1で右が2である。


1「ここにいっぱい書いたから」

2「私の出身地聞いたじゃない。」「探偵みたい。。知ろうとしないで。」「きみの考えていることが見えない」

 

上記を読んで気づいただろうか?

この作品の登場人物はすべて番号で表されている。

何故番号なのか?

この意味に気づいた人はどれくらいいるのだろうか。

この1と2のやり取りでは、照明が絞られていて限られた空間の中で双方その場からほぼ動くことなく繰り広げられていた。

過去に同じような照明空間で1対1のやり取りをしたことがある。

その役設定や作品によっては、難しくない場合もあるだろが、この空間は時間の経過が変わってるのではと思うくらい、

感覚が変わる。まるで魔術にかかったのではと思うくらいだ。

演じた1と2の各2人に実際にどうだったのかを聞いてみたい。

 

1と2の口論のようで…(ry 会話の途中、その照明の空間に多くの白衣装をきた集団が乱入してくる。

まるでおしくらまんじゅう。。

まるでそこはエレベーターの一室かと思うくらい。

そこでふと思った。

この一室はどこなのか。1と2の愛の巣なのか?それともまさにエレベーターの一室?

いやもしかしたらバーチャル空間なのかもしれない。

そんなことを考えていたら、ムナポケ恒例のオープニングが始まった。

毎回の楽しみであるムナポケのオープニング。

投影映像、演出が毎回ワクワクするのだ。

 

--------------------------

場面はまたあの密集した集団になった。

「素晴らしい商品を考えました」 その一言で各々色んな表情や反応を返す。

そこから次第に謎の空間が会社の一室へと変化した。

 

「課長」と呼ばれた3。

部下が口々に提案する新しい商品とサービス(でも明確な内容は全く言わない)に耳を傾け、時には宥める中に

時折聞こえる「あっさり」。

誰が発したのか分からないので商品を売るのか?サービスを売るのか?で議論は激しくなる。

見えるもの(商品)・見えないもの(サービス)。

どちらがお客様は嬉しいのか。

結局、両方を売り出すが・・・。

次第に混沌と化す会社。


部下だと思っていた4は、昇進し、追い抜かされる課長。

とうとうエビ…(ry 降格した3。

(この状況、リアルにありそうで怖かった)

 

物語はどんどん加速する。

 

政界に進出しようと選挙に出馬する4。

その異様な様子を全く分からない!!と嘆く1。

その様子に声をかける5と11。

それぞれが「私こういうものです」と1に胸ポケットから渡したのは

「肩書き」(5)

「劇作家」(11) 。

 

左が11。

そこに登場したのが、降格した3。

「負けを知る自分こそが出るべき」だと。

その3を押しのけて前に出てきたのが7。

7「この世のこってりをなくし、あっさりに変える」

????

!!!!!

 

7・・・だからなのか・・・

その衣装!!!!

その衣装とは【コック服】。※ちなみにBバージョンは和食の料理人服?だった。

『私が…妻?』な3。
左から2人目が5。
選挙演説する7。
7『胸に手を置かない者はやばいやつなのです。激ヤバなのです!』

5には娘役を3には7を支える妻であり、5の母役をお願いする7。

戸惑う2人に11は美しい家族愛が選挙に有利なのであると説得し、

なりきるというか憑依させた2人。

この5・7・3お三方のやり取りが面白くて面白くて大変でした( ;∀;) 

 

4陣営では、支持率低迷対策に考えたのが「電気を売る」。

しかし、文字を入れ替えると「売る」「電気」…バ…(みなまで言うな。察して)

 

気づいただろうか?(2回目)

そうこの物語はありとあらゆるところに「コトバ」がちりばめられ、

手に取る人によっての化学反応が違うということを。

 

そう気づいた時には、この物語との向き合い方も変わってくる。

 

--------------------

危険分子劇作家11 を排除し、無事選挙に当選した7は、

「あっさりを進めてくるのだ」と 1に指示をする。

戸惑う1の手に「このあっさりを進めるのよ」と次々と白い紙の筒を渡す3。

そして「こうやってこう・・・(バイク乗車のパントマイムで)」

あっさりを広める旅に出る1。

山を越え、客席という海を渡り、たどり着いたのはシルクロードなのであった。

(その最中、舞台の役者たちは各国の生活・仕事をしている様子を表現)

 

場面が変わり、排除された思われた11が1人の人物(6)に声を掛ける。

「心がざらざらしているだろう?」 

右が6。


声を出そうと思っても、気に留めてもくれず、気づいてもらえない6。

その6を見ていたのであろう。

最初は否定していた6も、しつこい11の投げかけに

次第に6の隠されていたものが徐々に見えてくる「ナニカ」。

11に「そのイライラをこの【紙】に書くんだ」と言われ、「…かみ」とボソッとつぶやく6。

そのやり取りを何回も繰り返すうちにその異常に気付く11。

6「声に出して叫びなさい」「助けてほしいと叫びなさい」 

徐々に6の声に導かれるように集まりだす白い人々。

 

その様子を見るあっさりお三方。

7「胸に手を置かない者はやばいやつなのです。激やばなのです。」

「この地を封鎖する。」

7の声に3と5は封鎖にかかる。

狭い黒い壁(実際には黒い板4枚)で封鎖される。

ロール紙を破る!破る!!

6は怒りを爆発させ叫ぶ。

「そうやって話を遮ってきたじゃないか!!」

結局決裂した双方。

 

12(00)が登場し、語り掛ける。

「(紙飛行機を手にしながら)さぁ、飛ばしてみましょう」


観客席から次々に舞台に向かって飛ばされる紙飛行機。

それらが爆撃となり散り散りに逃げる人々。

爆撃の中お互いを探す1と2。

やっと見つけるが、この爆撃の中果たして逃げ切れるか?

そんな2人の前に8と10が現れる。

1番左端が8。逆側の右端が10。

8の「アイの力(ちから)」がどこまで通用するのかは分からない。

AIな10は2人が生き残る確率を叩き出すが、8のアイパンチで最終的に%が少し上昇する。

(そんなんでいいのかAI)

駆け出す2人。



滝、雪、樹氷、2羽のツル。(「あれは何?」「あれは○○だ」の時にそれらを表現する白い人々)

しかし、大きな爆撃が2人を襲う。

気づくと2は「手」だけになっていた・・・


残された2の「手」を確かめるかのように顔に近づけ触れる1。

しかし、その「手」はほろほろと解けていき、1枚1枚の手紙となり散っていく。

 

笑っているのか悲しんでいるのか両方が入り混じったような表情で1は

「紙だ。これは紙だ。」

 

終わり。

 

---------------------------- 


ところどころ抜けている箇所があるかもしれません。

16日は最前列センター席に座ったことで1人1人の表情が細かく見えた。

だが、舞台奥側に設置された段差のある舞台に立つ人と重なってしまい、時々奥側の役者さんの演技が見えなかった場面があった。

しかし、紙飛行機を飛ばす際にしっかりと舞台エリアに届けることができたのがよかった。

17日は最後列で観た場合はどうだろうと思い、最後列で観劇。細かい表情までは見えない場面もあったが、ほぼ舞台全体を観ることができた。紙飛行機については、舞台エリアまで飛ばせないものもあり。

 

16日:1と2のやり取りが若々しく・甘酸っぱさを感じる。

17日:1と2のやり取りが少し生々しく感じる。

2日を通して、この2人のやり取りは男女のやり取り(喧嘩)ではなく民族・人種の認識違い(争い)なのかとふと思った。

 

見えるものが確かなのか

見えないものが信じられるのか

果たしてそれが『ソレ』なのか

また別の『アレ』なのか


ずっと問いかけられて頭を揺さぶられ、油断すると皮膚1枚スレスレの所を切られる感覚。


そんな時間でした。

----- (以下 自分的好きなシーン(写真))---------- 
脅威の402枚…!スマホで撮影してました。。

 

いいなと思ったら応援しよう!