禁煙した話
僕がタバコを吸い始めてから、何年たっただろうか。
数えてみれば20年近く吸ってきたことになる。
所得は多くはないけれど、だいぶ国と地元に貢献してきたのだと思う。偉い。
さて、そんな僕は今日現在で禁煙開始から411日目となっています。
これが人生初の禁煙成功と言えるだろう。
せっかくだから、なぜ禁煙しようと思ったのか。
そして、ちょっとだけその苦悩を書こうと思う。
やばい、タバコの数が増えた。
遡ること2年数ヶ月前。
1日平均約25本程度吸っていた僕がTwitterを始めた。
正確には実名アカウントでROM専だったけど、発信したくなって匿名アカウントを作ってつぶやき始めた。
最初のうちは全然良かった。1日平均5いいねくらいで喜んでいた。
ところが、段々とありがたいことにフォローしてくれる方が増えてプチ炎上をしたり、よく考えれば僕が燃やしたりをしていて、次第とTwitterに慌ただしい日々になっていた。
ところで、僕は何者かといえば雇われサラリーマンです。
どこかの地場社長じゃないので机で堂々とTwitterはできません。
そのためどうするかといえば、タバコを吸う口実にスマホをいじり適当にTLを眺めたりリプをしたりして、数分して席に戻ってまた仕事をしていました。労働という対価として会社から給料をいただく立場でありながら、労働時間の多くが喫煙に充てられている。これはいいのか?と思うことがありましたが、「営業マンのわがままは数字を持って達せられる」のでお咎めなしでした。
そうして、僕のタバコ休憩の為の喫煙本数はどんどんと増えていき、気づけば1日2箱を超えていました。
異変は日常生活にも出てきました。
コロナ禍のディズニーランド。
どのアトラクションよりも一番混んでいたのは喫煙所でした
居酒屋。
分煙の店がほとんどとなり「タバコを席で吸える店」で探すのはとても難しくなってきました。
家での喫煙。
換気扇の下でも許されない我が家では、タバコを吸う為に毎回玄関に出ていきました。台風の日でも。
(ちなみに、紙巻きタバコは水にめちゃくちゃ弱く、火は消えるし折れるし、ペターっとなにかにくっつくし、荒天時下の紙巻きタバコはほんとうに大変)
そんな環境下で喫煙本数が慣習的に増えてしまうと、喫煙するための行動パターンに陥っていきました。
コンビニで一服するためのアポイントのルートや時間組みなど。
ある日気づいたのです。僕の生活がタバコにだいぶ支配されているということに。
そして何よりも「会社でソコソコな立場にいる僕に、多くの社員は僕への不満があっても言いづらい状況にある」ということに。
よく考えてみれば頻繁に席を立っていなくなり、僕宛の電話の用件を聞き、タバコ臭い体で戻って来た僕に用件を伝える。どう考えてもムカつくよね。
昨年の6月に福岡に遊びに行こうと思っていたのですが、この体じゃ飛行機も我慢出来ないかも。。という懸念が出てきました。
というわけで、思い切って禁煙をしようと決断したのです。
禁煙外来
自分の力で禁煙出来る気がしなかった僕は禁煙外来に行きました。
初診の受付の時点でベテラン風の看護師さんに「今は禁煙外来やってないんですよ」と言われ、(せっかくきたのに・・・)と思っていたところに、院長が現れて「今日はどうしたの?禁煙外来?やってるよ!」と急遽OKになりました。
禁煙外来では医師によるカウンセリングと処方箋によるパッチor飲み薬で禁煙を治療します。
「私も喫煙者だったからつらいのはわかる。一緒に頑張ろう」先生は熱血コーチのように僕に声をかけてくれました。
そんな先生から「じゃあ、禁煙はいつからはじめる?」と聞かれ、100%の力でカッコつけて「先生、これ捨てて貰っていいですか」と1本だけ吸った19本残しのタバコを差し出して禁煙を決意したのでした。
ただ、希望していた飲み薬は発がん性物質が見つかりパッチだけになるけど我慢してねと言われました。
実は僕はだいぶ前にパッチにチャレンジしたことがあります。
その時成功していればこのnoteも書いてないんだけど、肌が激弱な僕はパッチを剥がす時に表皮も剥がれるアクシデントが起き擦り傷のような痛みが続きました。その経験もあり正直(パッチかぁ。。)とは思ったものの、何も"無いよりはいいか、我慢しよう"と、納得させたのでした。
処方箋片手に、パチンコ屋の近くに景品交換所があるのと同じく、不自然なくらい近くにある調剤薬局に行き、処方箋と健康保険証を出します。
笑顔で迎えてくれた薬剤師さんがすぐに険しい表情に変わりました。
「ごめんなさい、今パッチもないの。世界的に。」
はい。
先生、ダメじゃないか。
とはいえ、先生に詰め寄って「さっき捨てたタバコ返してください!」と泣きわめくのは男らしくない。全力でカッコつけた以上、めちゃくちゃカッコ悪い。
だから、気合と根性で禁煙することを薬局の中で決意したのです。
気合と根性の禁煙生活
元はといえばなんでタバコを吸っていたのか。大人びたことをしたかったのか?必要なのはニコチンでもタールでもなく、煙なんじゃないか?
そう考えた僕はVAPEを急いで買いました。そりゃもう急いで買いました。
口寂しさと煙吹かせたい欲求は満たされました。
ただ、禁煙当初のニコチン切れは辛いものがありジタバタしたりして気を紛らわし続けました。
やめておけばいいのに、ダイエットも同時に始めてみました。
過去最強にイライラしており、迷惑な話ですが毎日のようになにかに噛み付いていました。(仕事やTwitterなどなど)
そんなイライラ期も2週間ほどで収まりました。ダイエットを辞めたことが勝因だった気もします。
そして禁煙をしたことによって得られた自由を感じるようになりました。
その後の経過
なんだかんだピークを乗り切ればVAPEで気を紛らわしつつ、乗り切れていきました。
それでも最初のうちは無意識にポケットをまさぐってタバコを探していたり、喫煙所があるとふらっと近づいてしまったりと、無意識に喫煙行動にうつりそうになっていました。
慣れてきて意外と辛くないのが話し相手が目の前で喫煙すること。
そしてムカつくのが知らない人の煙ですね。
特に歩きタバコの残り香は殴り倒してもいいんじゃないかと思うくらいイラッとします。
ほかには未だにたまにタバコを吸う夢を見ます。それで目が冷めたり、朝からなんか嫌な気持ちになります。
禁煙してよかったこと
禁煙してよかったことは行動の自由です。店選びや移動手段、行き先や予定に「喫煙」という縛りがなくなったことはとても大きい。
部屋探しで例えるならば「ペット可」の条件を外したら世界はこんなに広かったのかと思うのと同じくらい。
あと、他の従業員への後ろめたさが無くなりました。
するとどうでしょう、他の従業員のその働きぶりがよく目に入ってきます。
なんという動きの悪さ。
「おまえ、バカか?」
そして相変わらず禁煙したところで僕の評判はサボってばかりいる人からめんどくさい人に変わっただけなのでした。
禁煙したことの反動
いいことばかりじゃありませんでした。
それは、エンドレスに飲んでしまうことです。
ヘビースモーカーだった僕は喫煙することで程よいブレイクができたものの、今は店員がだらしなくない限り、エンドレスにハイボールを飲み続けます。するとどうでしょう?泥酔します。
泥酔すると記憶をなくします。
簡単に言えば、酒癖がすこぶる悪くなりました。
よく、”タバコ代が浮くからお金が残る”と甘いことを言う人が言いますが逆です。1箱のタバコ代なんてジョッキ1杯で超えます。
というわけで禁煙前よりも貧乏になった気がします。
なんだかんだの結論
いまさら健康がどうとかいうつもりは一切ございません。
ただ、禁煙してよかったのは何よりも行動の自由です。
喫煙に拘束されていた時間の分だけいろんなことが出来るので、体感的には人生の体が動く使える時の時間が増えたんじゃないかと思います。
無理に禁煙を勧めるわけではありませんが、今しかこの気持ちを表せないだろうから、せっかくなので書きなぐってみました。
長文お付き合いいただきありがとうございました。