OMORI 2019 build restoration内で使用される顔画像について
先にこちらの動画の視聴を推奨する。
旧版の顔画像は、ゲームデータ内に残されたオモリ戦の未使用仮画像を元に作られている。2019 Build内にオモリ戦のDuetのイベントがないことから、比較的最近まで旧版の顔画像を使用していた可能性がある。
最古版の顔画像は、こちらのスケッチを元に作成されている。この当時は主人公の性別を選べるようにする(&主要キャラクターの性別を従来とは逆にする)予定だった模様。これに関しては後日新たに記事を書く予定。
また、スケッチの中にオモリの感情状態の表情を基に作られたと思われる現実世界用の表情が残されている。本Modにおける最古版の感情状態の表情、及び旧版の「いらいら」表情は、これらを基に作成されている。
更に面白いことに、この写真には現実世界の「るんるん」が描かれている。このことから、当時の開発陣が現実世界の主人公が第2段階までの感情を有効にするように考えていたことが推測できる。
さらに考察。
OMORIにおける夢世界/現実世界のグラフィック切り替えの仕組みを見ていると、開発初期段階では夢世界と現実世界とで使用するキャラクターが同じだったのではないかという推測をすることができる。
上の動画を見てもらえると分かるが、"World Value"という変数を変更してグラフィックを更新するだけで、夢世界と現実世界のキャラクターのスプライトを切り替えることができる。
一方、夢世界と現実世界の2通りのキャラクターがアクターとして設定されており、キャラクターのスプライトも異なるものが設定されている。
普通に考えるなら、夢世界に入ったら夢世界用のアクターを、現実世界に入ったら現実世界用のアクターを使うことで、キャラクターのスプライトを切り替える、という仕様だけで十分なはずである。変数を用いて夢世界と現実世界のスプライトを切り替えることができることから、開発初期段階では夢世界も現実世界も、参照するアクターが同じだった可能性を意味する。
2015年辺りの夢世界の戦闘中の顔画像が残されていることを考えると夢世界と現実世界とで全く同じ顔画像を用いていたとは考えづらいため、先述の変数を用いて使用する画像ファイルを切り替えるつもりだったのだろうか。
参照するアクターが同じということは、利用可能な感情の種類が同じであることを意味する。OMORIの顔画像ファイルの構造を見る限り、少なくとも第2段階までの表情は初期の段階から存在していたと思われる。オモリに第2段階までの感情状態が有効であった、かつ夢世界と現実世界とで参照するアクターが同じであったと仮定すれば、現実世界にも第2段階までの感情状態の顔画像が残されていたと考えることができる。実際に、The Art of Omori - Nucleusの看板に、現実世界の「るんるん」のコンセプトアートが残されていることが、この説の裏付けになる。
初期段階の現実世界の顔画像が夢世界のものをベースに作られた可能性が高いことを考慮すると、最終版でも使用されている現実世界の「いらいら」は、元々は夢世界の「むかむか」を基に作成された可能性が考えられ、先述の「現実世界においても第2段階までの感情状態が存在していた」という推論と合わせると、この最終版現実世界の「いらいら」表情は本来「むかむか」として使用されていたと推測できる。本Mod内の旧版の顔画像の「むかむか」の表情が最終版の「いらいら」を基に作られているのは、こういった理由による。
2014年から2016年にかけての現実世界の主人公の名前は"OMORI"とラベル付けされており、このことは夢世界と現実世界とで使用するアクターが同じだったことの裏付けとなる。
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