退職→高度不妊治療→自然妊娠まで
7歳年下の夫と2度目の結婚を果たした私だがなかなか妊娠できず、悩んだ末に結婚から2年後の夏、退職した。
すぐに不妊治療に特化した病院を探して受診した。
当時40歳だった私は当たり前のように体外受精を勧められる。そしてすぐに治療開始。
病院は車で1時間半程かかり、病院での待ち時間も半端ない。受付の若い女は無愛想で怖い。治療費は30万円とか一気になくなる。自動支払い機に吸い込まれる一万円札を見ていると胸騒ぎがした。
あんな怖い場所はパチンコ屋以外知らない。
高度不妊治療はある種タチの悪いギャンブルと変わらなくて。
成功するかわからないものに大金を賭けるのである。
増して失敗した時の絶望感といったらパチンコなんか比べものになるわけない。終わりの見えないトンネル。一旦入ったら後戻りも難しいトンネルなのである。
私の場合は運良く、3回目の受精卵移植の時期を待っている間に自然妊娠した。失敗の度にやっぱり神様なんかいないと毒を吐いていたがこればかりは全てに感謝した。私の人生にこんな奇跡が起こったことに、大袈裟じゃなく空を飛でるような幸せを感じたし神様の愛に初めて包まれた気がした。
結果論ではあるが私にとっては退職してのんびり過ごせた事が非常によかったと思われる。元々ボーっとしていたい人間なのに、盆、正月もない夜勤もある仕事でかなりの無理があったのだろう。
治療も功を奏したのだろうが、40年の中で初めて妊娠した事を考えたらやはり、仕事も関係していたと思う。
仕事しながらではできる治療ではなかったと思うし、人の噂や、好奇の目というのは私みたいな人間には非常にストレスになる。
もしもハードワークで不妊に悩んでいる方がいたら私は退職してのんびりしてみる事をおすすめする。仕事はまた始められる。赤ちゃんは自分しか産めないんだから。
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