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半導体株高が指数の支えに。 〜2025年2月19日(水)株式市場見通し〜
昨日の日経平均株価は、3万9,000円近辺での底堅さを意識した買い戻しが強まる形で、一時は3万9,500円近辺まで上昇する場面が見られました。
しかし、同価格帯では売りに押されて、伸び悩み膠着感を強めています。
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日銀が今後も利上げを継続するとの思惑を背景に、昨日の日本の長期金利は、2009年11月以来約15年ぶりに1.43%に上昇。
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日米金利差縮小の思惑から、為替が円安方向に動きづらくなっており、日本株の重荷となっています。
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そうしたなか本日は、10時半から金融経済懇談会にて日銀の高田審議委員が挨拶する予定です。
高田審議委員はタカ派として知られるため、発言によって金利がさらに上昇し、為替が円高方向に動く可能性が意識されています。
しかし、こうした環境下でも、本日の日本株市場では半導体株の上昇が日経平均株価を支えそうです。
昨夜の米国株式市場では、NYダウ平均やS&P 500が小幅高にとどまるなかでも、SOX(フィラデルフィア半導体)指数がまとまった上昇を見せました。
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日本株市場でも、昨日にはキオクシアホールディングスが大幅続伸するなど、決算で業績の好調さが確認できた半導体関連株の一角に買い戻しが向いています。
日経平均株価に対する構成率の高いアドバンテストや東京エレクトロンも、しっかりとした切り返しを見せています。
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半導体株の強さが指数を支える局面が再び到来していますので、この流れがいつまで続くかに注目したいと思います。
半導体関連以外に目を向けると、昨夜の米国株式市場ではアマゾンドットコムやホームデポなどの消費関連株の弱さが目立ちました。
昨夜に発表された2月分の米住宅建設業者の業況感を示す住宅市場指数は低下し、昨年9月以来の低水準に。
普段はあまり重要視される指標ではありませんが、市場予想の46を大きく下回る42となったため、市場が反応する場面が見られました。
このように、一部の経済指標に、アメリカ景気の失速が垣間見えているものの、米FRBによる利下げのペースは緩やかなものになると見られています。
昨夜には、米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁が、「インフレ抑制でさらなる進展が見られるまで景気抑制的な金融政策を維持する必要がある」などと発言しています。
利下げには時間がかかるとの見方を織り込む形で、昨夜の米長期金利は上昇。
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金利の高止まりによって米国景気がさらに減速するとの警戒感が、消費関連株の下落につながったと考えられます。
こうした懸念が続いたままで、半導体関連株も失速してしまうと、指数が調整に向かいやすいとして、注意しておきたいです。