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米国株式市場も調整局面へ? 〜2025年2月21日(金)株式市場見通し
昨日20日(木)日中の日経平均株価は、前日の夜間取引での安値である3万8,768円を下回り、下げ幅を拡大する動きとなりました。
日銀が今後も利上げを進めるとの見方から、国内の長期金利が高止まりし、為替が一段と円高方向に動いたことが日本株の重荷となりました。
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今朝のドル円相場は、昨年12月につけた円の高値1ドル=148円63銭を目処としてもみ合う動きを見せています。
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しかし、12月よりも円高進行の勢いが強く、反動での円安局面を挟みながらも、中期的にはさらに円高方向に向かう可能性が懸念されます。
昨年8月から9月につけた1ドル=142円どころまでの円高進行は考慮しておきたいです。
また、米国景気の失速が意識され始めていることも、為替が円高方向に動く要因となっています。
昨夜の米国株式市場では、ウォルマートが発表した26年1月期通期の1株当たり益見通しが市場予想を下回ったことが嫌気されました。
「ウォルマートは昔から、年初に慎重な見通しを示しておいて、後にガイダンスを引き上げることが多い」との指摘もありますが、直近の米国株価指数が高値圏で上値が重くなっていたこともあって、手仕舞い売りのきっかけになってしまったと考えられます。
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企業業績に勢いがなくなっていることが意識され、昨夜の米国市場では長期金利が低下。
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株式市場では、金融セクターへの売りが厳しくなりました。
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景気に左右されづらいヘルスケアセクターの一角が買われたほか、【NVDA】エヌビディアなどが底堅さを保ったため、S&P500指数は高値圏でしっかりとした値動きを継続しています。
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しかし、ここのところしっかりとした戻しを見せていたSOX(フィラデルフィア半導体)指数が、1月のDeepSeekショック時に開けた窓を埋める水準まで戻している点には注意したいです。
達成感が台頭しやすい水準で、徐々に半導体関連株の上値が重くなる可能性が想定されます。
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3月の納税シーズンを前に、今後は米国市場への資金流入が減速するとの指摘もありますので、景気失速懸念などを背景に、米国株が来月にかけて調整局面を迎えるリスクは想定しておきたいです。
こうした環境を頭に入れた上で、日本株市場に目を向けると、日経平均株価の週足チャートが崩れ始めている点が気がかりです。
日経平均株価を週足で見ると、節目の52週移動平均線を下回りつつあります。
3万9,500円近辺でのもみ合いが長かったため、同価格帯での戻り売りが重くなっている点も気になります。
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より短期目線でチャートを見てみると、昨夜は3万8,400円近辺を下値支持線として下げ渋っています。
下落ペースも落ち着いきていますので、短期的には、同価格帯を下値目処として切り返す動きとなるか、様子を見て良いでしょう。
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しかし、米国景気失速懸念と円高トレンドが続く限り上値は重いとして、3万9,000円台では戻り売りを狙いたいです。