メザシのおいしさ
メザシは魚の名前ではありません。
イワシの干物のことです。
一般的にメザシに使われるイワシはマイワシではなく、カタクチイワシなどの小型のイワシです。
塩水につけた後、目のところに藁や竹串を通します。
数匹を束ねて干します。
目を刺すので「目刺し」と書きます。
軽く焼いて食べるとおいしい干物です。
ご飯のおかずに最適ですが、低価格で手軽に食べられるメザシは、かえって食材としての価値が低く見られてしまうことがあります。
私たちは食材の優劣を値段だけで判断してしまうことがありますが、天然本マグロの中トロもメザシもおいしいことに変わりはありません。
その昔「メザシの土光さん」と呼ばれた人がいました。
経団連の会長を務めた土光敏夫さんです。
日本経済の発展に尽くし政府の行政改革を推進した人です。
強い信念と行動力、厳格で実直な人柄で知られています。
また私利を追うことなくたいへん質素な生活を送ったそうです。
普段の食事も玄米と味噌汁とメザシだったと伝えられています。
そのため「メザシの土光さん」の名がつきました。
メザシのおいしさをしっかり理解していた人物だったのですね。
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