節分の豆はどのように作るのか
昔から節分の豆まきに使われる豆は煎り大豆です。
まかれた豆を数え歳だけ食べると無病息災で一年を過ごせると
子どもの頃に教わりました。
私のような古い世代の人にとって、豆まきの豆は縁起物ですから
床にまかれた豆を拾って食べることに全く抵抗感はありません。
しかし、若い世代の人は必ずしもそうではありません。
近年では、衛生上の観点から殻付きの落花生を用いたり
小分けに袋詰めされた菓子豆などが使われています。
また、食べものを粗末に扱わない風潮も高まりつつあり、
掛け声と動作だけの「エア豆まき」もあるそうです。
節分が近づくと、豆まき用の煎り大豆が店頭に並びますが、
立春が過ぎるといつの間にか姿を消してしまいます。
煎り大豆は節分以外に食べられないのでしょうか。
決してそのようなことはありません。
煎り大豆は簡単に手作りすることができます。
一晩水に浸けた大豆をフライパンで炒るだけです。
まずは、水に浸けた大豆の水気をよく取ります。
フライパンを熱して大豆を炒ります。
パチパチと音がしたきたら弱火にします。
カリッと炒り上げれば出来上がりです。
じつは豆を炒るにはフライパンより焙烙が向いています。
焙烙とは薄型の素焼きの土鍋のことです。
金属のフライパンのように熱伝導は高くありませんが、
その代り保温性に優れ、むらなく熱が伝わります。
把手が付いている焙烙と付いていない焙烙がありますが、
把手がある方が揺り動かすのに便利です。
煎り大豆以外にも銀杏や胡麻を炒るのに用いられます。
茶葉を焙じて焙じ茶を作ることもできます。
把手がないものは鍋として焙烙料理に用いたり
頭に被ってお灸を据えるのに使います。
焙烙で炒った煎り大豆は香ばしくて美味しいです。
おそらく鬼も絶賛すると思います。