山くらげと山くじら
「山くらげ」とは茎レタスのことです。
茎の部分を棒状に切って乾燥させたものです。
水で戻して柔らかくしてからお漬けものにします。
コリコリした食感がクラゲによく似ています。
そのため「山くらげ」と呼ばれています。
「山くじら」とはイノシシの肉のことです。
四つ足の動物を食べることが忌避された時代に作られた言葉です。
イノシシの肉は栄養価が高いことが古くから知られていました。
そのため滋養強壮の薬として用いられていました。
イノシシとブタは親戚ですが肉質はブタ肉とはちょっと違うようです。
飼育されているフタは飼料で育ちます。穀物中心の食事です。
野生のイノシシは自然にある木の実や山菜などを食べて育ちます。
脂身もしつこくなく甘みと香りがあります。
イノシシの肉は別名「ぼたん肉」ともいいます。
脂身に縁取られた赤身肉が牡丹の花のように見えるからです。
イノシシの肉を使った鍋料理を牡丹鍋といいます。
馬の肉は「さくら肉」といいます。
肉の色が桜色だからです。
鹿の肉は「もみじ肉」といいます。
花札の十月の図柄「紅葉に鹿」に由来します。
鶏の肉は「かしわ肉」といいます。
鶏もも肉を開いた形が柏の葉に似ているからという説があります。
もう一つ他の説もあります。
じつは「黄鶏(かしわ)」という日本在来の鶏の品種があり、この名前が一般の鶏にも使われるようになったという説です。
もっとも最近は「かしわ肉」とは呼ばなくなりました。
「チキン」という名前の方が一般的です。