400字で分かる落語「浮世風呂」2
「う」の15:浮世風呂(うきよぶろ):その2
小僧の歌は「羽根田節」。天保2(1773)年頃に大流行した。甲斐の盆踊り歌か岡山備前の太鼓唄が元だという。太鼓唄の方は「こちゃえ節」の替え歌で、「お江戸日本橋七つ立ち」でお馴染みの「東海道中上り歌」が元。札幌農学校の「ストームの歌」が同じで、青森高校も全く同じ校歌を使っている。
「蚊にくわれ」は普通の言葉と思ったら、九州の人がどこかで使っっておかしいと言われたというのでネット調査が行われた(2020年8月19日の大手小町)。全国では「さされる」が55パーセント、「くわれる」が29パーセントだった。3位の「かまれる」は私は聞いたことがないが15パーセント。残る1パーセントは「その他」になっているが、注として、大阪では「血ィ吸われた」で、こうしか言わないという……それじゃあパーセント低過ぎね? 昔Wヤングがニヒルをネタに、「お母ちゃん、血ィ吸うてる」「それはヒルや」というネタをやっていたのをふと思い出した。
ついでに江戸の流行歌だが、端唄小唄で残っているのを別にすると、「花のお江戸の両国橋で坊さん簪買うを見た」という「よさこい節」は全国に渡ったが、土佐のものがご当地名物を並べたことで有名になった。明治の頃には全国70ヶ所で歌われていたという。「江戸へ江戸へと草木もなびく」の「おけさ節」も、特に新潟で流行、北前船で九州から新潟に伝わったという説もある。これも明治期には数十ヵ所で歌われていたが、昭和の末には「佐渡おけさ」など3つしか残っていないとされている。
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