400字で分かる落語「江戸の町」
「え」の24:江戸の町(えどのまち)
【粗筋】 「江戸は広いところだの」「お前、これくらいで驚いちゃいけねえ。日本の国はもっと広い」「ほう、どのくらいある」「江戸のちょうど倍くらいだ」
【成立】 安永3(1774)年『茶のこもち』の「田舎者」。
【蘊蓄】 江戸といっても区域ははっきりしない。一般には上野寛永寺から日本橋までの、今の中央通りがメインストリートで、その裏通りなど、隅田川辺りまで住居が広がっていた。日本橋を渡ると吉原があったが、火事で浅草田んぼに移ったのが「新吉原」。跡地は商家が多かった。日本橋から銀座の辺りは商家が多く、江戸っ子は職人であるため、こちらは江戸に入れないという考え方もある。尚、お裁きで江戸所払いというのもはっきりせず、各街道の最初の宿場迄を基準に二里四方というのが普通だが、先の江戸の町から離れれば問題にされなかったようだ。江戸の町では浪人や人別にない者を厳しく取り締まった。遠山の金さんがこちらの方ばかりをやって、それ以外の面倒なことは全部鳥居躍蔵に押し付けていたのがおかしい。