400字で分かる落語「上と下」
「う」の5:上と下(うえとした)
【粗筋】 酔って帰った亭主、女房から「よく飲むお金があったわね」と言われて説明を始める。社長の秘書が休みで、社長室の掃除を頼まれたが、贈り物の一升瓶を発見、こっそり飲んで代わりに水を入れておいたというのだ。女房はひどいことをしたと云うが、家で飲む酒は水で薄めている。娘がお酒を用意するのに母親の真似をして分かったのだ。
トイレに行こうとするが、女房に止められる。配管がおかしくて下の部屋に大きな音がするのだ。トイレにも行けないと嘆く夫、決断して、下の部屋でトイレを借りればいいと思い付く。言ってみると、下の奥さんがすごい美人、「あ、その、酔って帰って、それで」と、結局家でトイレを使う許可をもらって戻るが、階段上下したので出なくなった。下で待っているから音だけでも水を流すと、その音に誘発されて用を足し、もう一回流すと水が止まらなくなった。下の主人が文句を言いに来る。
「すみません、元栓が壊れちゃって」
「ああ、じゃあいいです。文句を言っても栓(詮)無いことです」
【成立】 2008年だったか、桂米丸が20年ほど前の新作だと紹介してくれた。作者を聞きそびれた。
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